敵に塩を送る

 1997年ジョブズが復帰した直後のアップルは、経営に行き詰まっていました。  
 銀行口座には、2週間分の運転資金しか残っていませんでした。
 この状況に、思いもよらない人物が、手を差し伸べます。
 マイクロソフトのビルゲイツです。
 アップルとマイクロソフトは、長らくライバル関係にあり、10年以上著作権に関する裁判も続けており、良好な関係とは言えませんでした。
 しかし、ビルゲイツは、1億5千万ドルの出資とマック用のオフィスソフトを開発することを約束しました。
 ビルゲイツは、「うちの社内には、マックの開発が好きなグループがいましたし、我々はマックが好きでした。」と語っています。
 ジョブズは、ビルゲイツに対し、「君のおかげで、世界は少し良くなるはずだ。」と、ジョブズらしく感謝の気持ちを伝えています。
 敵対する関係であっても、助け合うことで、新しい価値を生み出すことができます。