「旅団(クモ)では、オレが頭で、お前達は手足。手足は、頭の指令に対して、忠実に動くのが大原則だ。それは機能としての話で、生死の話ではない。例えば、頭が死んでも、誰かが跡を継げばいい。場合によっては、頭より足の方が大事な時もあるだろう。」
『HUNTER×HUNTER』クロロの言葉です。
現在JUMPにおいて、天才富樫は誰もが待ち望んでいた幻影旅団の過去編を描いています。
緊張しながらJUMPを読むのは『ONEPIECE』頂上戦争『ハイキュー』プロ編以来の貴重な経験です。
「旅団(クモ)では…」で終了した今週号の『HUNTER×HUNTER』久し振りにJUMPを読む手が震えました。
私の大好きな上記のクロロの言葉を、富樫も特別視していたと勝手に解釈をし、様々な感情を抱きました。
幻影旅団の影響により、私は、クモを殺す事が出来なくなりました。
おかげで、事務所には、数年間の付き合いのあるクモが住んでおり、私は敬意を込めて「クモ」と呼んでいるという謎の信仰をしています。
「自らの教養のなさと、技術の拙さを確認する作業と化した呪術の連載ですが、せめて先生の前座として少しでも誌面を温めておくことができれば幸甚です。」
富樫義弘展に寄せられた『呪術廻戦』作者のメッセージです。
過去2年程最もJUMPにおいて面白い作品の作者のメッセージから、富樫の特別感を知る事が出来ます。
私は『ハイキュー』北さんの影響により、キャプテンはベンチからチームを俯瞰していた方がいいのではないかという主張をしてきました。
ワールドカップベスト16、ポルトガルは、ロナウドをベンチに置きました。
ロナウドやメッシ、ネイマール等、全部ひっくるめてエースが、ゲームに出ていない方が、チームが強くなる事は、ヨーロッパの常識になりつつありますが、特に代表においては、そのような選択をする事は難しいであろうという印象を持っていました。
しかし、過密日程と必ずしもスタメンの11人が最強の11人ではないというフットボールの進化から、上記の戦略も可能となってきました。
また、クロロの言葉通り、機能としての話と生死の話は区別するべき問題です。
頭がいなくとも、組織が死ぬわけではありません。
これは、フットボールに限らず、どの組織に対しても、該当する哲学であると思います。
ベンチからでも、ゲームをコントロールする事が出来る存在。
若しかしたら、それが、全部ひっくるめてエースの最後の解なのかもしれません。
「オレも旅団の一部。生かすべきは個人ではなく、旅団。」
再び『HUNTER×HUNTER』クロロの言葉です。