「春は夜桜。夏には星。秋には満月。冬には雪。それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証拠だ。」
『るろうに剣心』比古清十郎の言葉です。
4月5日~4月19日までを、二十四節季において、清明と呼びます。
清明という名の如く、清々しい春の風が吹き、天地が明るい空気に満ちて、草花が一斉に芽吹く素晴らしい季節です。
また、新生活が始まる人も多く、どこかモヤモヤしていた心が、明るく晴れ渡るように感じられる季節でもあります。
その一方、春は季節を通じて、気持ちが不安定になる傾向があります。
環境の変化が伴うこの時期は、尚更かもしれません。
春の陽気が高まる事で興奮しやすい清明の時期は、睡眠や胃腸系のトラブルが起こりやすくなります。
また、4月に入り、多かれ少なかれ環境の変化もある事でしょう。
環境の変化により、イライラ・落ち込み・無気力等、メンタル面のアップダウンの激しさに悩まされる人も多いです。
清明の養生のキーワードは「昇陽発散」です。
昇陽発散とは、陽気を高めて発散させる事で、血の巡りを良くし、春に高ぶる肝の働きをスムーズにするという意味です。
陽気を高める為には、冬の間、足りていなかった太陽の光を浴びる事が有効です。
朝に太陽の光を浴びる事で、脳内でセロトニンという神経伝達物質が活性化されます。
セロトニンは「心の安定」「癒し」「安らぎ」等の元となる物質です。
脳内物質の指揮者とも呼ばれ、ドーパミンやノルアドレナリン等を調整し、気分や感情を安定させる働きがあります。
太陽の光を浴びたら、その陽気を発散させる為、運動をしていきましょう。
太陽の光を浴び、そこで得た陽気を、運動で発散させていく。
この繰り返しが、メンタル面の不調から、あなたを守ってくれます。
命が芽吹く清明の季節。
あなたが、新しい事にチャレンジする事に、うってつけの季節です。