「春は夜桜。夏には星。秋には満月。冬には雪。それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証拠だ。」
『るろうに剣心』比古清十郎の言葉です。
二十四節季において、5月21日~6月5日までを「小満(しょうまん)」と呼びます。
「小満」とは、草木が茂りあたりが満ち始めるという意味です。
色とりどりの紫陽花(あじさい)や紅花(べにばな)が盛りを迎え、その年の最初の新芽で作られる新茶が出回る季節です。
紫陽花の花言葉は「移り気」「辛抱強さ」「無常」です。
「移り気」は、少しずつ色が変化する事に由来したとされ「七変化」といった別名もあります。
紫陽花の花言葉は、色により異なる為、贈り物として選ぶ時には、色に気を配りながら、選ぶ事が大切になります。
‥言問わぬ 木すらあぢさる 諸弟(もろと)らが 練のむらとに あざむかれけり‥
訳:ものを言わぬ木でさえ、紫陽花のようにうつりやすいものがあります。諸弟達の言葉にすっかりだまされてしまいました。
大伴家持の和歌です。
紫・青の紫陽花の花言葉は「冷淡」「浮気」「辛抱強い愛」です。
「辛抱強い愛」は、江戸時代、ドイツ人の医師・シーボルトが愛した日本人女性・お滝さんが、モチーフとなっています。
シーボルトは、日本でスパイ容疑にかけられ、国外追放となります。
ドイツに帰国せざるを得ない状況になった時、日本で採取した紫陽花に、お滝さんの名を取り「オタクサ」と学名をつけました。
この2人の恋愛から由来して「辛抱強い愛」という花言葉がつけられました。
‥あぢさるの 八重咲くごとく 弥(や)つ代にを いませ我が背子 見つつ偲はむ‥
訳:紫陽花が八重に咲くように、あなたさまも八代も末永くお元気でいられるように、この花を見ながらお祈り申し上げます。
橘諸兄の和歌です。
ピンクの紫陽花の花言葉は「元気な女性」「強い愛情」です。
ピンク・赤等の明るい色の紫陽花は、ヨーロッパに分布しています。
ヨーロッパの中でも、フランスの女性が元気いっぱいな女性が多かった事から、フランスの花言葉に由来した「元気な女性」という花言葉が日本でも使われています。
「強い愛情」の由来は明記されていませんが「母の日」等の贈り物の定番になった事や、女性のひたむきな愛から付けられたのかもしれません。
白い紫陽花の花言葉は「寛容」「一途な愛」です。
どのような色にも染まらない白色の美しさから、懐の広さをイメージさせる花言葉がつきました。
「小満」の旬の食材は①トマト②さくらんぼ③鯵(あじ)です。
①トマトの真っ赤な色、これは「リコペン」と呼ばれる色素です。
「リコペン」の特徴は「活性酸素」を消す「抗酸化力」がとても強い事です。「Bカロテン」の2倍「ビタミンE」の100倍ともされています。
「小満」のように紫外線の強い時期には、肌の老化を招く「活性酸素」を消す「リコペン」は、摂取しておきたい栄養素です。
②繊細な果物の1つであるさくらんぼは、5月中旬から梅雨の季節に最も美味しくいただける旬の時期となります。
さくらんぼにおいて、特に注目すべき栄養素は「鉄分」です。
「鉄分」は、酸素を身体の隅々まで運ぶ働きがあります。果物の中で最も「鉄分」を持つさくらんぼをいただき、身体の隅々まで酸素を運びましょう。
③鯵は「EPA」「DHA」等の「オメガ3」の脂肪酸を多く含む魚です。
サラダ油・胡麻油・コーン油に多く含まれる「オメガ6」の脂肪酸は免疫機能のアクセルのような働き、青魚・えごま油・アマ二油に含まれる「オメガ3」の脂肪酸は免疫機能のブレーキの働きをします。
アクセルだけでも、ブレーキだけでも、車を運転する事は出来ません。人生を安全に運転する為にも、ブレーキ機能を持つ「オメガ3」を上手に摂取していきたいものです。
街中を散策してみてください。
草木が茂りあたりが満ち始めた事を、確認出来るのではないでしょうか。
紫陽花を見つける事も、出来るでしょう。
最も簡単なストレス解消法を、教えます。
その方法とは、自然の風景を観る事。若しくは、自然の中を散策する事です。
食事が美味しくなる重要な要素は、2つです。
1つは、空腹である事。
もう1つは、旬の食材を味わう事。
旬の食材を味わい、心と身体に栄養を補給して、今日も人生を乗り切っていきましょう。