「春は夜桜。夏には星。秋には満月。冬には雪。それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証拠だ。」
『るろうに剣心』比古清十郎の言葉です。
二十四節季において、6月6日~6月20日までを「芒種(ぼうしゅ)」と呼びます。
稲や麦等、芒(のぎ)のある作物の種を蒔く時節である事から「芒種」と呼ばれています。
現代の田植えの時期は、早まりましたが、昔の田植えの時期は「芒種」の頃でした。
「芒種」の頃より、日本は梅雨に入り、ジメジメと蒸し暑い日が増えていきます。
「五月雨(さみだれ)」とは、旧暦の5月に降る雨の事で、現在では「芒種」の頃に降る雨、つまり、梅雨の雨の事を指します。
梅雨の頃も、小雨が降りながらも、時折、空が明るくなり、晴れるような空模様を「白映え(しろばえ)」と呼びます。
「芒種」は、ジメジメとした蒸し暑さが、胃腸の働きに影響を及ぼし、身体内に余分な気が溜まる「痰湿(たんしつ)」という状態に陥りやすい時節です。
「痰湿」とは、例えるなら、スポンジが水を吸って重くなるったような状態の事です。
中医学では、この状態を、外からの湿度である「湿邪(しつじゃ)」に侵された状態と考えています。
特に、ストレス等で胃腸が弱まり、身体の水分代謝が悪くなっている人は、雨の日の湿度等の影響を受け、心身ともに、不調に陥りやすいとされています。
「芒種」の旬の食材は①トマト②いんげん③キュウリです。
①トマトといえば、夏野菜のイメージがありますが、最も味が良いとされているのは、春~初夏に掛けてのものです。
太陽の光をたくさん浴びて育った真っ赤なトマトは「糖度」が高く、味が濃いのが特徴です。
トマトには、抗酸化作用のある「リコピン」や美肌効果・風邪予防に役立つ「ビタミンC」老化を抑制する「ビタミンE」等、様々な栄養成分が豊富に含まれています。
②いんげんは、江戸時代「隠元禅師」により、日本に伝えられた為「いんげんまめ」と呼ばれるようになりました。
細長い形の中に栄養がとても豊富に含まれており、食事をエネルギーに変える為に必要とされる「ビタミンB1」「ビタミンB2」が含まれ、私達の身体を構成する「必須アミノ酸」も全て含まれています。
野菜に含まれる「食物繊維」も豊富で、胃腸が弱る傾向にある「芒種」には、胃腸の調子を整える「食物繊維」が豊富に含まれるいんげんは、是非摂取したい食材です。
③キュウリは、95%以上が水分です。
95%以上が水分の為、水分代謝の期待は持てるものの、栄養価がない食材と認識されています。
しかし、100キロカロリーあたりの栄養素を他の野菜と比較すると「カリウム」はナスの1,4倍「ビタミンK」はレタスと同等「ビタミンC」はトマトの1,3倍となっています。
ただ、キュウリは100gあたり14キロカロリーしかない為、キュウリを100キロカロリー食べる事は、困難かもしれませんが‥。
身体がスポンジのように水を吸った状態になったのであれば、発汗をする事です。
最も良い方法は、運動です。
気候だけでなく、あなたの心がジメジメしてきたら、発汗しましょう。
平成28年厚労省の「国民健康・栄養調査」によると、運動習慣のある人は」、男性35%・女性27パーセントでした。
つまり、日本人の約7割の人には、運動習慣がありません。
運動不足の人は、鬱病になるリスクが、44%高まります。
さらに、運動を習慣にする事で、認知症のリスクを40%減少させる事が出来ます。
あなたの心がジメジメしてきたら、発汗をする事をお勧めします。
運動がどうしても出来ないのであれば、入浴やサウナもお勧めです。
食事が美味しくなる重要な要素は、2つです。
1つは、空腹である事。
もう1つは、旬の食材を味わう事。
旬の食材を味わい、心と身体に栄養を補給して、今日も人生を乗り切っていきましょう。