春は夜桜。夏には星。秋には満月。冬には雪。それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証拠だ32

 

 「春は夜桜。夏には星。秋には満月。冬には雪。それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証拠だ。」

 『るろうに剣心』比古清十郎の言葉です。

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 二十四節季において、10月8日~10月23日までを「寒露(かんろ)」と呼びます。

 「寒露」とは、晩秋から初冬にかけての、霜(しも)になりそうな冷たい露(つゆ)を意味します。

 満月を楽しみ「十五夜」が中国伝来の風習であるのに対し、10月初旬の少し欠けた月を愛でる「十三夜」は、日本固有の風習です。

 

  …ねこの芽に 海の色ある 小春かな…

  久保より江の句です。

 

 「小春(こはる)」とは、10月の異称です。

 気候が温暖で春に似ている事から、10月を「小春」と表現するようになりました。

 「小春日和(こはるびより)」は、晩秋から初冬にかけての暖かな晴天を意味します。

 

 古より「初物七十五日」「初物を喰えば七十日長生きする」等を伝えられてきました。

 日本においては、その年に初めて収穫された野菜や果物・魚等を「初物」と呼び、愛でる習慣が根付いています。

 これは食べ物に限らず「初月」「初蝶(はつちょう)」「初萩」等というように、花鳥風月にも「初」の時をつけ、季節の移り変わりを楽しむのが、日本の伝統です。

 

 

 

 「寒露」の旬の食材は、①柿②青梗菜(ちんげんさい)③栗です。

 

 

 ①日本人と柿には、古来より、深い結びつきがあります。

 岐阜県において、第三紀層から柿の化石が見つかっています。

 第三紀とは、6430万年前~260万年前の時代を指します。

 

 つまり、人類が誕生した700万年前の遥か古より、柿は、日本にあったのです。

 『古事記』『日本書紀』においても柿は、人名・地名として多数記述されています。

 万葉歌人として著名な柿本人麻呂は、屋敷に柿の木があった為、柿本と名乗り、藤原京遺跡からは、柿の種子が大量に見つかっています。

 

 柿には、可食部100gあたり70㎎の「ビタミンC」が含まれています。

 これは「ビタミンC」の宝庫とされるキウイと同程度の量です。

 成人における「ビタミンC」の1日の推奨摂取量は100㎎の為、柿1個を食べれば「ビタミンC」の推奨量をクリアする事が出来ます。

 

 「ビタミンC」は、老化や免疫機能の低下等を引き起こす活性酸素の働きを抑える作用があります。

 ただ、人は「ビタミンC」を体内で作る事が出来ません。

 旬の柿を食べ「ビタミンC」を摂取し、死ぬまで若い身体と心を作っていきましょう。

 

 

 

 ②青梗菜は「ミネラル」が豊富な緑黄色野菜で、和名では「体菜(たいさい)」と呼ばれます。

 中国が原産の野菜であり、の本に入ってきたのは、意外にも1972年の日中国交回復の後です。

 

 青梗菜には、強い抗酸化作用が含まれており、癌や生活習慣病の予防に働く「βカロテン」が豊富に含まれています。

 その他にも「葉酸」「ビタミンC」「カルシウム」「カリウム」等、多くの「ミネラル」も含まれています。

 

 また、調理をしても栄養素の損失が少ないという特徴があり、加熱や電子レンジ利用等にも向く野菜です。

 

 

 ③栗の歴史も下記同様に古く、三内丸山遺跡等、縄文時代を代表する遺跡から、栗の実が出土されています。

 また、栗は食用としてだけではなく、栗の木は、縄文時代の住居にも使われていました。

 栗の木は、大型のものだと、直径が80㎝以上にもなる為、縄文時代の住居に、栗の木が利用されていました。

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 さらに、栗の木は、住居だけではなく、道具を作る材料や燃料としても、使用されていました。

 栗は、成長が早い為、安定的に収穫出来る事・水に強く腐りにくい事・加工しやすい事等から、活用の幅が広く、古より、私達日本人の生活を支えてくれていました。

 

 栗は、100gあたり4,2gの「食物繊維」を含んでいます。

 「食物繊維」には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、そのまま消化吸収されない「不溶性食物繊維」があります。

 

 栗は「不溶性食物繊維」であり、消化吸収される事なく、腸内にある老廃物の排出をサポートします。

 その為、腸内の老廃物の処理や便秘解消に、お勧めの食材です。

 また、栗は、胃に留まる為、血糖値の急激な上昇が起こりづらい食材でもあります。

 

 

 食事が、美味しくなる重要な要素は、2つです。

 1つは、空腹である事。

 もう1つは、旬の食材を味わう事。

 

 旬の食材を味わい、心と身体に栄養を補給して、今日も人生を乗り切っていきましょう。