「春は夜桜。夏には星。秋には満月。冬には雪。それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証拠だ。」
『るろうに剣心』比古清十郎の言葉です。
二十四節季において、11月22日~12月6日までを「小雪(しょうせつ)」と呼びます。
紅葉が散り、北国では、小雪(こゆき)が舞い始めます。
しかし、日中は、暖かな日もあり、この時期の晴天で穏やかな天候の日の事を「小春日和(こはるびより)」と呼びます。
…風が吹くたび 寂しくて 雪がちらつくたびに 寂しくて…
…小春日和を探してます 小春日和を探してます 嘘のぬくもり探してます…
中島みゆき『小春日和』の歌詞です。
「小雪」の旬の食材は、①みかん②鰤(ぶり)③大根です。
①日本人に馴染の深い果物であるみかん。
では、みかんの生産量が、最も多い都道府県は、どこでしょうか?
1位:和歌山県
2位:愛媛県
3位:静岡県
上記の都道府県に熊本県・長崎県を加えた5県で、日本のみかんの生産量の7割を占めています。
和歌山県は、徳川将軍御用達のみかんとして知られ、みかん栽培において、非常に長い歴史があります。
みかんの原産地は、インド・タイ・ミャンマーの周辺とされています。
日本では、室町時代から江戸時代に掛けて、みかん栽培が始まりました。
日本で作られるみかんを「温州みかん」と呼びますが「温州みかん」は、1,200年前に、薩摩で偶然の変異により誕生したと言い伝えられています。
その後、明治末期から大正時代に掛けて、害虫除去を始めとするみかんの栽培技術が確立され、生産量と品質が向上し、現代のような冬の風物詩となる果物として、日本の家庭に定着しました。
☆ビタミンC:免疫力を高める・ストレスを低減する・肌の健康を整える
★ヘスペリジン:血流を良くし、血圧を改善する
☆βクリプトキサンチン:抗酸化物質として老化防止に作用する
また、みかんの白い筋の繊維には、食物繊維が豊富に含まれている為、嫌いでないのであれば、食べるのがお勧めです。
②鰤の名の由来は、脂が多い事から「あぶら」→「ぶら」→「ぶり」と転訛としたという説があります。
鰤は、成長に伴い、名が変わる為、出世魚としても、知られています。
☆関東:ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
★関西:ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
鰤は、温帯性の回遊魚であり、春夏は鰯(いわし)を追って北上し、冬になると産卵の為、南下します。
冬に南下してきた鰤は「寒鰤」と呼ばれ、脂が乗り、重宝されます。
また、鰤は縁起の良い魚として親しまれており、その年に出世する事を願って、正月に食べる地域も、数多くあります。
北陸では、お歳暮に、鰤を丸ごと一尾贈る風習もあるようです。
③大根は、神話の中で「豊穣」や「生命力の象徴」として描かれており、人々が自然と共生してきた歴史や、宇宙のエネルギーを感じさせてくれる野菜でもあります。
紀元前2,200年の古代エジプトにおいては、玉ねぎやにんにくと同じく、ピラミッドを建設する為の労働者の食料でもあったようです。
栄養素 | 可食部100gあたりの含有量 |
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エネルギー | 15kcal |
糖質 | 2.7g |
ビタミンC | 12mg |
葉酸 | 34μg |
カリウム | 230mg |
食物繊維 | 1.4g |
大根は、可食部100gあたり、エネルギーが15kcalの為、ダイエットに有効な食材です。
☆葉酸:造血・細胞分裂を促進・貧血予防
★カリウム:体内の過剰なナトリウムを排出する・浮腫み予防・高血圧予防
☆食物繊維:便秘解消・血糖値の上昇を抑える・コレステロール濃度の低下
また、大根の葉には、根の部分に多い栄養素以外にも、βカロテン・ビタミンE等、多様なビタミンやミネラルが含まれています。
根とともに、葉を捨てずに調理をすると、よりたくさんの栄養素を摂取する事が出来ます。
食事が、美味しくなる重要な要素は、2つです。
1つは、空腹である事。
もう1つは、旬の食材を味わう事。
旬の食材を味わい、心と身体に栄養を補給して、今日も人生を乗り切っていきましょう。