「春は夜桜。夏には星。秋には満月。冬には雪。それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証拠だ。」

『るろうに剣心』比古清十郎の言葉です。
二十四節季において、2月18日~3月4日頃までを「雨水(うすい)」と呼びます。
「雨水」は、寒さが少しずつ和らぎ、雪や氷が溶け、大地が潤い始める季節です。
鶯(ウグイス)が鳴き、草木の芽が出始め、春一番が吹く等、春の足音が間近に感じられる事でしょう。
「叱られて 目をつぶる猫 春隣(はるとなり)」
久保田万太郎の句です。
春隣とは、春がもうすぐそこまで来ている事を指します。
♦女の子の健康と幸せを願う、日本の伝統行事
「雨水」の終わりの頃には「桃の節句(ひな祭り)」があります。
桃の木には「魔除け」の効果があると信仰されてきました。
中国では、桃の木は縁起が良く、不幸や邪気を祓う効果があると言い伝えられています。
また、桃の種は、女性の血流を改善させる漢方薬として、現在でも重宝されています。

「桃」の果実を「天下無敵」に比喩した言葉があります。
★女性のような姿をした桃が悪魔を追い払うと信じられてきた
☆伊邪那岐命(イザナギノミコト)が、黄泉の国から逃げる時、桃の実を3つ投げて鬼を退治した
★桃から生まれた桃太郎が、鬼を退治する
西洋においても、日本においても、上記のような逸話が語り継がれ、桃には「天下無敵」の意味が込められてきました。
♦桃は、女性の性のシンボル、長寿のシンボルでもある
「天下無敵」「性のシンボル」「長寿のシンボル」
この3つが揃えば、最強ではないでしょうか?
その為、私は「桃」を最強の果物であると、信じています。
☆日本:女児100人に対し、男児106人が出生
★中国:女児100人に対し、男児110人が出生
☆アメリカ:女児100人に対し、男児100人が出生
★イギリス:女児100人に対し、男児105人が出生
アメリカを除き、世界の殆どの国では、女児よりも男児が生まれる可能性の方が高いです。
☆男子:718万人
★女子:683万人
2024年4月1日における日本の総人口に占める男女比です。
「数の少ない方が勝つ。」
徳川家康の言葉です。

ダイヤモンドの価値が高いのは何故でしょうか?
ダイヤモンドの価値が高いのは、美しいからではありません。
ダイヤモンドの価値が高いのは、希少だからです。
この世の中の方程式に従えば、男性よりも、女性の方が価値が高いという仮説を立てる事が出来ます。
比較をする事ではないかもしれませんが、これからの社会は、現在以上に、女性である事に価値が出てくる社会になると、私は仮説を立てています。

平安時代、貴族の女の子たちの間で「雛遊び(ひいなあそび)」が流行しました。
紙でつくった人形を、同じく紙でつくった御殿のなかで遊ばせるこの遊びが「雛人形」のルーツだといわれています。
雛には「大きなものをちいさくする」「かわいらしいもの」という意味があります。
宮中の暮らしを小さく表現した遊びから、「雛遊び」というネーミングにつながったのでしょう。
「雛人形」には、厄を引き受ける役目があります。
女の子を災いから守り、美しく成長して幸せな人生を送れますように、という願いが込められています。
ひな祭りに「雛人形」を飾るのは、昔の人形(ひとがた)や流し雛の風習の通り、お雛様に女の子の穢れを移して厄災を身代わりに引き受けてもらうためです。
厄払いの意味があるので一夜飾り(3月2日から1日だけ飾ること)は避けるべきとされています。

♦ちらし寿司
平安時代に現在のお寿司の起源とも言われている「なれ寿司」に、エビや菜の花を乗せて彩りをよくして食べられていたのが由来と言われています。
現代に受け継がれていくうちに、より華やかで見栄えのするものに変化していき、やがて今の「ちらし寿司」になったと考えられます。
ちらし寿司に載っている具材にも、それぞれに意味があります。
☆エビ:腰が曲がるまで長生きできますように
★レンコン:先が見通せるように
☆豆:健康でマメに働く
♦はまぐりのお吸い物
「はまぐりのお吸い物」も、ちらし寿司とセットでよく食べられる料理のひとつです。
はまぐりは1対2枚の貝殼を持つ二枚貝です。
対の貝はぴったりと合うけれど、それ以外の2枚の貝が合うことは絶対にないという特徴に由来します。
このようなはまぐりの特徴は、仲の良い夫婦を表すものとされています。
1人の相手と永遠に仲良く過ごせますように、という願いが込められていると言われています。
「桃の節句」を、祝ってみてはいかがでしょうか?