…上を目指す以上、苦しい事の方が多い…
…苦しくなくちゃ、がんばった事にならないって思い込んでるみたいなとこもある。でも、そんな事はお構い無しに、時々楽しいは来てしまう。楽しいが、俺を引っ張ってしまう。バレーボールは楽しいと、忘れては思い出す…
…バレーボール。ボールを落としてはいけない。持ってもいけない。繋ぐ競技…
…繋ぐ。バレーボールの根幹を、今また、もう一回…
『ハイキュー』及川徹と日向の脳内言葉です。
2009年5月イギリス・マンチェスター、夢の劇場にてユナイテッドVSシティのマンチェスターダービーを観ました。
当時のマンチェスター、否ヨーロッパの中心は赤いユニフォームでした。
試合はロナウドとテべスのゴールでユナイテッドが勝利した記憶がありますが、それ以上に試合当日の街の空気、試合前のスタジアムの雰囲気、試合中の選手の立ち位置等、全てを含めて、赤いユニフォームが勝利する事が確定しているかのようなダービーでした。
あれから14年の年月を懸け、昨日、マンチェスター、否ヨーロッパの中心となった当時は敗北者であった青いユニフォームに再会しました。
バルサやマドリーは小学生の頃から追いかけてしましたが、シティやパリは大人になってから追いかけている為、どこか憧れの種類が異なります。
バルサやマドリーのエンブレムには物語無しで惹かれますが、シティやパリのエンブレムには一緒に物語を歩いてきたような感覚でしょうか。
2008年アブダビグループがシティを買収してからも、シティの歩みは順風満帆ではありませんでした。
ビッグネームを獲得すれば勝てるチームになるわけではありません。
2011-2012シーズン、シティがプレミア初優勝をした後も、シルバ、アグエロの個人的な活躍によりトップ6入りはしつつも、シティのフットボールとはどのようなものなのか定まらず、迷走しているように映りました。
当然、ヨーロッパの舞台では勝つ事が出来ず、長い期間ベスト16や8で姿を消す姿が恒例となっていました。
そんな中、ペップがシティの監督に就いた時には驚きを隠せませんでした。
バルサ・バイエルンと優勝を約束されたチームと異なり、当時のシティはプレミアにおいて優勝を約束されたチームではなかったからです。
シティ1年目のペップは、結局タイトルを獲得する事は出来ませんでした。
それでも「繋ぐ」を続けたペップシティは、少しずつフットボールが形となり、結果も伴う事が出来るようになってきました。
多くの人が知る所によるシティの物語は、その後のシティの物語です。
敗北者であった時を知るからこそ、苦しい時期を知るからこそ、そのチームにも、監督にも、選手にも、憧れだけではない様々な気持ちを抱く事が出来ます。
誰もが調子の良い時には、勝手に周りに人が集まり、勝手に賞賛してくれます。
しかし、その人の本当の真価が問われるのは、敗北者であった時、苦しい時期です。
そして、敗北者であった時、苦しい時期においても、隣にいてくれた人のみが、その人が勝者となった時、楽しい時期においても、隣にいていいものだと思います。
14年前に観た敗北者が勝者となった姿を観る事が出来た記憶は、私の心にずっと残り続ける事でしょう。