「皮肉だよね。全てを与えられると何もできず、緩やかに死ぬなんて。」

『呪術廻戦』五条悟の言葉です。
♦最強の魔法は、時間魔法
…時間の使い方の最も下手なものが、まずその短さについて苦情を言う…
フランスの作家の言葉です。
最強の魔法は、何だと思いますか?
私は「時間魔法」であると考えています。
才能や富に差異こそあれど「時間」に差異はありません。
私自身、毎日「やる事がない」と言って過ごしている高齢者を見ていて「その時間を私にくれ」と思うととともに、才能や富は、若き時にこそ使うものであると感じています。
「夜蛾は、まだかのぉ。老い先短い年寄りの時間は、高くつくぞ。」
「夜蛾学長が、しばらく来ないよ。嘘の予定を伝えてあるからね。その節は、どーも。」
「はて、その節とは?」
「とぼけるなよジジィ。虎杖悠仁のことだ。保守派筆頭のアンタも一枚噛んでんだろ。」
「やれやれ最近の若者は。敬語もろくに使えんのか。」
「ハナから敬う気がねーんだよ。最近の老人は、主語がデカくて参るよホント。」

『呪術廻戦』楽巌寺学長と五条悟の会話です。
♦時間も「認知のクセ」である
脳・身体とともに、人の意思決定に大きな影響を及ぼすのが「時間」です。
時の流れは一定であり、合理的に考えれば、1日は24時間、1年は365日です。
ところが、人には「認知のクセ」があり「時間」に関しても、非合理的な解釈をします。
双極割引モデル
「双極割引モデル」とは、近い将来を考える際は少しの時間の差が気になるが、遠い将来を考える際は時間の差が気にならないというものです。
「今日10,000円貰うのと、1カ月後に11,000円を貰うのと、どちらがいいか?」
殆どの人は「今日10,000円貰いたい。」と答えます。
これが「現在志向バイアス」に働きによるもので、将来の利益よりも、すぐに手に入る利益を優先させてしまうという「認知のクセ」です。
「1年後に10,000円貰うのと、1年1カ月後に11,000円貰うのと、どちらがいいか?」
あなたなら、どちらを選択するでしょうか?
殆どの人は「1年1カ月後に11,000円貰いたい。」と答えます。
1日後、3日後と時間の設定を変えて検証をしても、結果は同じでした。
「今日と1カ月後」は大きな差ですが「1年と1年1カ月後」であると、同じ1カ月にも関わらず、その1カ月が大きな差ではなくなってしまうのです。
この事から、人は「時間」を非合理に、認知している事がわかります。
「去年の夏油傑の一件。そして、現れた宿儺の器。」
「何が言いたい?」
「分かんないか。アンタらがしょーもない地位や伝統のために塞き止めていた力の波が、もうどうしようもなく大きくなって押し寄せてんだよ。」
「これからの世代は、特級なんて物差しじゃ測れない。」
「牙を剥くのが五条悟(ぼく)だけだと思ってんなら、痛い目見るよ、おじいちゃん!!」

『呪術廻戦』五条悟と楽巌寺学長の会話です。
♦その情報は、いつ届ければいいか
お客様の「認知のクセ」が「時間」にどのように影響を受けているのかを理解する事により、いつ・どこで・どのような情報を提供すればいいのかの知見を深める事が出来ます。
たとえば、旅行会社がホテル付ハワイツアーを企画したとします。
多くの場合で、青い海・リゾート感溢れる雰囲気をアピールします。
しかし、タイミングによっては、このアピールが、逆効果になってしまう事があります。
「現在志向バイアス」でもそうであったように、基本的に人の意識が向くのは「今」です。
そして「今」については「現実的かつ具体的」に考えるクセがあります。
これに対し、1カ月後・1年後と、考える事が「未来」になるにつれ、思考は抽象的になっていきます。
これを心理学においては「解釈レベル理論」と呼びます。
先刻のハワイツアーの例でいうと「来年の夏休みは、ハワイツアーに行こう」という遠い「未来」の予定の事を考えている場合、お客様が思い描くのは「ハワイの青い海・リゾート感のある雰囲気・魅力的な街並み」等、抽象的なものです。
しかし、ハワイ旅行が直前になると、お客様の思考は「飛行場からホテルまでのアクセス・ツアーの特典・どこで円をドルに変えるか」等といった具体的なものに変化します。
☆ツアーが先であれば、抽象的なイメージ優先
★ツアーが直前であれば、具体的なイメージ優先
1週間後に参加出来るツアーを企画したのであれば、ハワイの青い海よりも、具体的な情報を盛り込まなければ、お客様は集まりません。
これを知っているか否かにより、あなたの実績は、大きく変わる事を、約束します。