「先生と、どっちが強い?」
「うーん、そうだね。力を全て取り戻した宿儺なら、ちょっとしんどいかな。」
「負けちゃう?」
「勝つさ。」
『呪術廻戦1巻』虎杖と五条悟の会話です。
1月4日発売『呪術廻戦25巻』は、現代最強の術師・五条悟と史上最強の術師・宿儺の最強対決です。
2020年にアニメ大ヒットに伴うコミック売り切れ状態と五条悟人気大爆発以降、2021年12月24日『呪術廻戦0』の映画公開、2022年12月24日『呪術廻戦0』配信開始、2023年夏クールで青い春時代・2023年秋クールで渋谷事変アニメ放送、そして、2023年ジャンフェスにおける作者による「呪術2024年連載終了宣言」の熱の冷めやまぬ間の最強対決のコミック発売。
呪術ファン、否、JUMPファンは、ここ数年『呪術廻戦』に振り回されています。
そういえば、先日オンライン英会話で出逢った講師の方は『呪術廻戦』が大好きで、推しは七海と答えていました。
呪術の人気は、海外にまで及んでいます。
…数々の富樫先生の作品の、同じことの繰り返しにならないためのアプローチに魅せられました。よく語られる、読者を飽きさせない工夫とは次元が異なり、一朝一夕で真似できるものではありません。時間が解決する物でもないという残酷な話にもなります。富樫先生は勿論、数多の先達が残していくものを、自分はどう継いでいくのか、何を残せるのか、その輪の中にいつまでいられるのか。答えは、出ることはなく「沈黙」でもないようです…
…自らの教養のなさと、稚拙さを確認する作業と化した呪術の連載ですが、せめて先生の前座として少しでも誌面を温めておくことができれば幸甚です…
「富樫展」における『呪術廻戦』作者のメッセージです。
私は『ドラゴンボール』を観ていて、子どもながらに、新しい敵が出てくる度に、その敵の強さを示す事だけが目的のようにベジータが瞬殺される事が悲しかった記憶があります。
私は、連載当初に出てきた最強の敵が、そのまま最強であってほしいという持論を持っています。
富樫を敬愛する芥見さんは『幽遊白書』仙水の闇落ち同様、夏油の闇落ちを描き切りました。
本人は「仙水の(闇落ちは)納得出来たが、夏油の(闇落ちは)納得出来ていない」と言っていますが、弱い人を助ける事に対し何の疑いもなかった青年が人の醜い部分に触れる事で、自分の責務に疑問を抱き始め、親友(五条)はいるものの、あえてその部分は理解して貰おうとしない闇落ちのシーンは、私は『呪術廻戦』の中で最も好きなシーンであり、最も共感出来るシーンです。
そして『HUNTER×HUNTER』ヒソカVSクロロの最強対決同様『呪術廻戦』でも五条VS宿儺の最強対決を描いてくれました。
フットボールにおいても、そのシーズンの最強対決をチャンピオンズ決勝の舞台で観る事は、殆どありません。
遠い記憶になりますが、1998年マドリーVSユーべの決勝が、私の中での唯一の最強同士の決勝であったと感じています。
小学校5年生という事もあり、現在でも、マドリーとユーべのユニホームには、特別な何かを感じてしまいます。
「‥はあ。ったく、いま何日?」
「11月19日。」
「じゃあ12月24日でいいだろ。」
「はっはっロマンチシズム?24日(イヴ)に、私達が予定を合わせるなんて気色悪いな。」
「命日が2つもあったら、ややこしいだろ。」
「勝つ気かい?」
「はっ」
…先生と、どっちが強い?…
…うーん、そうだね。力を全て取り戻した宿儺なら、ちょっとしんどいかな?…
…負けちゃう?…
…勝つさ…
『呪術廻戦』五条と羂索の会話、そして、五条の回想です。
12月24日はイヴとともに、呪術の日となりそうです。