月の出

 ケアマネジャーの最初の研修において、「私は誰からも批判を受けたことがありません。」と得意げに主張していた講師の方がいました。
 私は、その言葉を聞き、即退室しようか迷ったことを現在でも鮮明に記憶しています。
 予想通り、その講師の方はこちらの意見に対し、「そうですね。」や「いいですね。」しか言わず、「この人は何の為にここにいるのか?」という疑問だけが残りました。
 誰の意見にも合わせることは大切です。
 しかし、合わせるだけなら誰でもできます。
 仕事として、専門職として関わるのであれば、自身の主張や客観的見通し等を知識や経験により、主張すべきです。
 お客様の希望的観測を知識や経験により、補うことが仕事であるからです。
 もちろん、全てにおいて自らの考えを主張する必要はありません。
 しかし、相手の望む返答だけをしているだけでは希望する結果や答えには一生かけても辿り着くことも、近づくことすらできません。
 称賛は、批判とともにあるからこそ、輝きます。
 称賛しかないのであれば、その人は裸の王様と同じです。
 光は、闇があるからこそ輝きます。
 光しかないのであれば、そもそも光の存在にすら気づきません。
 批判とともにある称賛こそ、その人の本物の実力です。