私は、「ありがとう」の対になる言葉は、「当たり前」ではないかと考えています。
ありがとうの語源は、「有難い」です。つまり、有るのが難しいことを、人はありがとうと言っているのです。
確かに、戦国時代の武将が、褒美を貰う時、「有難き、幸せ。」と言っている場面を、よく観ます。
少々言葉遊びのようになりますが、「当たり前」が「ありがとう」の反対語とするのであれば、「当たり前ではない」ことは「ありがとう」に属すると考えることも出来ます。
人が、最も悲しみを感じる場面は、「これまで当たり前にあったことがなくなる。」ことではないでしょうか。
これまで当たり前に存在していた人や猫、犬等が亡くなった。
これまで当たり前にあった仕事がなくなった。
これまで当たり前にあった大切な物がなくなった。
なくなって初めて、その存在の大きさに人は気づきます。
何かをなくした経験をして初めて、「ありがとう」の意味を深く知ることが出来ます。