「何してんだ、あいつ…!敵わなねえなら、退いて増援待てよ‥!自分が一番わかってんだろ。オールマイトのようにはなれないって。だから、早々に諦めてイカれたんだろ‥いらねー子どもは放ったらかしで、お母さん病むまでおいつめて‥諦めて逃げろよ‥。」
「夏‥理解はできても、納得できないってことあるでしょ?諦めたんじゃないよ。あの人は、誰よりも諦めの悪い人なんだよ。」
「象徴の不在。これが、象徴の不在‥!!」
「てきとうな事言うなや!!どこ見て、喋りよっとやテレビ!あれ見ろや。まだ炎が上がっとるやろうが。見えとるやろうが!!エンデヴァー生きて、戦っとるやろうが!!おらん象徴(もん)の尻っぽ引いて勝手に絶望すんなや!」
「ガチすぎやろ。やめろや。はよ逃げよって。」
「今、俺らの為に、体張っとる男は誰や!!見ろや!!」
「再び空からの映像です。あっ黒の敵(ヴィラン)が‥あっ!!避難先へ!!ああ追っています!しかし、追っています。エンデヴァーーー!!!!」
「おっオ前も再生さイせいも持ちなノか?」
…一緒にするな。こちとら既に、体が動かん!!動かん体を火力で推し出せ。ありがたい!痛みで意識が保てる。倒れてなるものか!霞むこの眼で、勝機を見据えろ!火力を上げろ!!もっと!!更に!!…
「そーゆーとこです。」
…エンデヴァーさん!俺の羽じゃ、破壊力が足りない。けれど、スピードなら互角です。俺ね、見てたんで知ってんですよ…
…本気で超えようなんて人は、一人もいなかった。あなただけですよ。本気で超えようとしてたのは…
…「いや無理でしょ‥どんだけ不器用なんだ。この人は。」…
…羽あらかじめ呼ばしておきました。あなたの火力に俺の羽(スピード)を上乗せする。背中推しますよNo1ー!!…
『僕のヒーローアカデミア』轟家の会話と、テレビ局アナと見ろや君、エンデヴァー(轟炎司)、ホークスの脳内言葉です。

『僕のヒーローアカデミア』(ヒロアカ)が、来週発売の『JUMP』にて完結をします。
また1つ当たり前にあった私の日常が、終わります。
あなたの好きな『ヒロアカ』の場面は、どこですか?
私は、上記の単行本21巻、アニメ4期最終話『彼は何故立ち続けたか』が1番好きな『ヒロアカ』です。
ロナウドの最後のEUROが幕を閉じました。
19歳の時に初めて出場した自国開催の2004年大会で準優勝を果たし、そこから世界最強のドリブラーとしてプレミア得点王・チャンピオンズリーグ優勝を果たし、時代がロナウドの時代になるものと思われました。
しかし、偶然か必然か、ロナウドと同じ時代に、フットボール史上、最も才能と運に恵まれた男がバルセロナに彗星の如く現れます。
世界最強のドリブラーとなったロナウドの前にも、その男と歴代最強のチームが立ちふさがります。
…アンリ、フレブ、ネイマール、コウチーニョ、グリーズマン、デンべレ…
その時代の最もフットボールの上手い選手達が、フットボール史上NO1の選手がいるチームに加わりましたが、メッシを、本気で超えよう等という選手は、1人もいませんでした。
皆、メッシとの共存を目指しましたが、共存を目指す事で、それぞれの輝きは半減してしまいました。
フットボール史上NO1の選手と、歴代最強チームを倒す為、その永遠のライバルであるマドリーに移籍したロナウドだけです。
本気で超えようとしていたのは‥。
1人の選手の肥大したエゴと、チームの組織的なパフォーマンスは、調和するのだろうか?
その選手が絶対的な能力を発揮していれば、チーム力の上昇に繋がり、勝利をもたらします。
しかし、時が経ち、そのスーパーな能力に陰りが見えてくると、どの肥大したエゴは、集団全体を蝕んでいきます。
その為に、チームは、常に新陳代謝を図っていきます。
スーパーな能力に陰りが見え始めた選手に別れを告げ、新たなスーパーな能力を持ち得る選手を招き入れる。
この平等な世界に、世界中のファンは、夢を観るのです。
EURO2024において、ロナウドが、スーパーな能力を発揮した場面はありませんでした。
それでもポルトガル代表マルティネスは、ロナウドを信頼し続けました。
グループステージ首位突破が決定したジョージア戦を除き、マルティネスは、ロナウドをフル出場させています。
マルティネスは、ロナウドの能力だけではなく、リーダシップや経験、何よりもその影響力を重視したと思われます。
衰えが隠せなくなってきたとはいえ、チーム内では憧れの的であり、同じピッチに立てる事実に、喜びや、やりがいを感じる選手も、少なくありません。
「老害」のような扱いで批判するメディもありましたが、その批判は、的が外れています。
寧ろ、ロナウドを中心に、ポルトガル代表は、結束し、これまでのポルトガル代表の中で、最も強いチームになっていました。
長年の戦友であるペペとは、固い絆で結ばれており、敗れたフランス戦後には、涙を流すペペを慰める姿に、心を動かされた人も多いのではないでしょうか?
今大会のチームMVPであろうヴィキ―ニャは、大会前のキャンプからロナウドと長い時間を共に過ごし、多くのアドバイスを貰ったと明かしています。
初戦のチェコ戦で終了間際に値千金の決勝点を決めた21歳のフランシスコ・コンセイソンは、終了のホイッスルと同時に、ロナウドの元に駆け付け、熱い抱擁を交わしています。
そんなコンセイソンが、フランス戦の延長戦に作った決定機を、ロナウドは決める事は出来ませんでした。
これまでのロナウドであれば、必ず決めてきた決定機を決められなかったロナウドに対し、コンセイソンは「気にしないで」と声を掛けました。
世界最高の選手であるというステータスと、それを維持してきたプロフェショナリズムは、チーム、否、世界中の誰もが認める、否、崇めるものです。
チームという集団のロールモデルとして、ロナウドに比肩する選手はいません。
ただし、ロナウドのエゴは、スーパーな能力を発揮していた時と変わりありません。
現在においても自分は常に先発フル出場すべき存在であると捉え、ゴールを直接狙えるFK・PKは全て蹴り、チームメイトはまず自分を探すべきであり、自分のタイミングに合わせパスを出すべきであると考えています。
全盛期のロナウドであれば、それで上手くいきました。
彼の実績が、それを物語っています。
しかし、現在のロナウドに全てを委ねても、その見返りは少ないです。
20年以上ロナウドとともに生きてきた私が言うのは非常に苦しいですが、これは、動かしがたい事実です。
それでも、ポルトガル国民の殆どは、ロナウドを愛し、サポートし続けています。
EUROの開幕前も、開催中も、敗退後も、その姿勢は変わらず、殆どの国民が「英雄」のチャントを歌い続けています。
ポルトガル国民にとって、ロナウドの存在は、これ以上ない程価値のあるもので、ネガティブな側面も、覆い隠してしまいます。
それでも、今回のEUROにおいては、冷静に、客観的に総括する事が、ポルトガルの未来に必要です。
私自身「ロナウドのいないポルトガル代表に魅力を感じるか?」という問いには「NO」と答えます。
ただ、ここは冷静に、客観的に、今回のEUROにおいて、ロナウドは頼りにならなかったという事実と向き合う時です。
ロナウドは、そのスーパーな能力を最も必要とした局面で、これまでのように、結果で応える事が出来ませんでした。
ベスト16スロベニア戦、延長前半の終了間際に得たPKをロナウドは、決める事が出来ませんでした。
PKを失敗する事は仕方のない事ですし、ロナウドが外すのなら仕方がないと、誰もが納得していました。
しかし、納得していないばかりか、残りの延長後半戦に集中する事が出来ていない人が、1人いました。
それが、ロナウド自身です。
直後のハーフタイムでは、涙を堪える事が出来ず、PK戦でPKを決めた直後、試合終了後もスタンドのファンに謝罪をしていました。
ロナウドが、代表チームとファン、そして、国を愛しているのは、誰の目にも明らかです。
ロナウドは、アスリートとしてだけではなく、人として、とても魅力的です。
思いやりがあって、エモーショナルな泣き虫で、誰よりも自分に厳しい。
それでも、フットボールは、実力が基準であるという平等な世界。
多くの仕事とは異なり、結果を出す事が出来なければ、去るしかない厳しくも平等な世界であるからこそ、ヒーローが生まれ、世界中の子ども達の憧れとなるのです。
悲しいですが、私にとっては、ロナウドとの別れを考えざるを得ないEUROとなりました。