「弱い人間程、交わる他人にすぐ染まる。」
「男だらけの場所にいる女は、まるでアイドル気取りの振る舞いをし、初心者に囲まれた中級者は、自分に特別な才能があると勘違いし始める。」
「逆に言えば、弱い奴は、簡単に書き換えられる。」
「褒めて、媚びて、おだて、激励し、手柄を譲り、認め、讃え、少しだけ怯えてみせる。」
「そうやって完成したのが、このバカみたいな自尊心の塊。長い時間をかけて染め上げた、オレの作品だ。」
『ジャンケットバンク』雛形の言葉です。
♦第三者委員会
日本企業においては、何か問題が生じた時に、第三者委員会という言葉を使い、逃げる事が常態化しています。
この事に、疑問を感じているのは、私だけではないはずです。
また「ジャニーズ」の問題においても、第三者委員会という言葉で逃げましたが、その第三者委員会の報告書までを、観た人は、殆どいないのではないでしょうか?
☆道路の補修を、アスファルトにより、一晩で仕上げる
★道路の補修を、コンクリートにより、時間を掛け仕上げる
☆のやり方は、問題をすぐに解決して道路を使用可能な状態にする事が出来る為、一見ポジティブな事のように見えます。
しかし、その効果は一時的であり、アスファルトの強度を考慮すると、何度も繰り返し補修をする必要があり、長期的には頻繁なメンテナンスと、これに伴うコストが生じます。
★のやり方は、数カ月補強をするのに、必要となります。
しかし、1度の修理で、長期間の耐久性を、持たせる事が出来ます。
☆のやり方が、日本企業のやり方です。
★のやり方の方が、1度に掛かる時間・労力・コストは、上です。
しかし、長期的な視野に立つと、頻繁な修理が必要ない為、時間・労力・コストは、低くなります。
では、このような場当たり的ではない、長期的視野に立ったアプローチは、どうすれば身に付くのでしょうか?
①「誰が」を忘れてみる
②「なぜ」を問うてみる
③解決策の効果を、検証する
この中で、私が、最も大切であり、日本人に欠けていると感じる部分が、①「誰が」を忘れてみるです。
人は、誰もが、失敗をするものです。
これまた、日本人は、学校教育により失敗=悪い事という世界観を植え付けられ、大人になっても、変わらぬ世界観を持っている人が、多いものです。
しかし、失敗をしなければ、成功も成長も出来ず、課題に気づく事も出来ず、知識も経験も得る事が出来ません。
大切なのは、失敗をした時に、失敗した自分や他人を責める事ではなく、その失敗をした要因を見つけていく事にあります。
「本気の失敗には、価値がある。」

『宇宙兄弟』むっちゃんの言葉です。
「成功は保証されていないが、成長は必ず保証されている。」
2008年放送『情熱大陸』において、中居君が、中学生に贈った言葉も、そのような意味が込められていると、私は認識しています。
トラブルが、起こった時、当事者を非難する事を、やめてみましょう。
「誰が」を一旦忘れて「どうしてこうなったのか」を、客観的に観測してみましょう。
♦人は、何故「誰か」を責めてしまうのか?
中居君に対する社会の反応を「いじめ」の様に、感じてしまうのは、私だけではないはずです。
学校においても、会社においても、趣味の集まりにおいても、人間関係がある所には、ほぼ間違いなく「いじめ」が生じます。
カンザス大学のスコットマン・エイデルマンの研究において、下記のような結論が導かれています。
♦「いじめ」は、集団の維持に役立つ機能がある
同じ集団の中に、いじめる対象を作る事は、いじめられる人以外の人達の一体感を強める働きがあるというのが、エイデルマンの分析です。
いじめの対象がいる事で、翻って集団がまとまるという経験は、あなたも思い当たる節があるのではないでしょうか?
心理学では「黒い羊効果(ブラックシープ効果)」と呼びます。
中居君や現在87歳フジテレビ取締役相談役という謎の役職を持つ日枝氏が、現在の「フジテレビ問題」において、生贄(いけにえ)となっています。
人は、わかりやすい物語を、信じやすいものです。
世の中や人の組織は、実に複雑に混ざり合っており、これを考える為には、様々な知識・経験等を必要とします。

その為「アイツが悪者だ」と生贄を作る事で、考える必要がなくなり、わかりやすい物語を作る事が出来ます。
そういえば、10年以上前に話題に挙げられた生贄「都議会のドン」は、どうなったのでしょうか?
♦仕事において、目標の売上に届かなかった時「頑張れ」と言われた所で、何も解決しない
あなたも、経験があるのではないでしょうか?
しかし、自分が上司や教える立場になった瞬間「もっと頑張れよ」と言ってしまうのが、人の常です。
♦なるべく早くメールを返してほしい
経営者等、裁量権のある仕事をしていると、意思決定の為の、スピードが求められます。
その為、部下への確認でメールを送った場合、出来るだけ早く返信が、欲しいものです。
しかし「なるべく早く」では、1人1人により、認識の違いが、生まれます。
☆なるべく早くだから、30分以内だろう
★その日中に返信すれば、なるべく早くだろう
☆今日は忙しいから、明日まででいいだろう
「なるべく早く」の認識は、上記のように、1人1人異なります。
♦経営者からメールが届いたら、2時間以内に返信してほしい
明確なルールがある事で、仕組みは機能します。
♦「誰が」という人ではなく「仕組み」を疑う
あなたや、誰かが、失敗をした時に、人は、反射的に人を責めたくなります。
勿論、その人の問題である事も、多分にあります。
しかし、ここで理性を働かせ、人ではなく、仕組みを疑う癖をつけ、実践していきましょう。
これが、場当たり的ではない、長期的な視点を持つという事です。
「レッスン1。ジジイと赤ん坊が‥猛獣だらけの島に取り残された!!お前は、2人しか乗れないボートに乗ってる。どうする?」
「自分がボートを降りて、2人が助かれば。」
「ハズレじゃ!!バカタレ!!老い先短いジジイは、見捨ててよし!!」
「ちょっとガープ中将!!」
「お前ら一体何を救う為、海兵になった!?」
「人の未来じゃろうが!!!ならば、ジジイよりお前らの方が、未来がある!!赤ん坊と2人で、お前達が生きろ!!!」
「二度とあんな講義しないでください!!命は、平等です!!!」
「若者の未来は無限じゃ!!」

『ONEPIECE』ガープの授業です。
そして、80代のおじいちゃんは、未来ある若者に、道を譲りましょう。
百歩譲って、自らが作り上げた会社であれば、その会社に最後までしがみつく事は、理解出来ます。
しかし、フジテレビを始め、殆どの会社の代表取締役は、サラリーマン社長です。
その地位・権力に、しがみつく時代は、終わりました。
未来ある若者に、道を譲る事は、地位・権力にしがみつく事以上に、美しいものであると感じるのは、私だけではないはずです。
