正義は議論の種になるが、力は非常にはっきりしている2

 「大衆とは他人と自分が同一であると感じて、かえっていい気持ちになる。そのような人々全体である。」

 オルテガ『大衆の反逆』からの一説です。

 オルテガは、90年以上前に現代の大衆化社会を予期していたかのような主張を『大衆の反逆』にて記しています。

 たった一言の失言や、不倫等、当事者達の問題でしかない事を、大衆が、さも自分が裁く側であるかのように裁き、皆と同じ主張をする事でいい気持ちになる、まさにオルテガが描いた世界が現代において生じています。

 

 現代の大衆の主張の1つにコロナウイルス感染拡大が収まらないのは、若者のせいであるというものがあります。

 この主張をしているのは、特に高齢者が多いように感じます。

 優先的にワクチン接種が受けられた高齢者とは異なり、都内では若者がワクチン接種を受けたくても、予約がいっぱいで受ける事が出来ない状態が続いています。

 また、ワクチン副反応は高齢者より若者の方が顕著に発生します。

 2回目のワクチン接種後では、20代では約50%、30代では45%の人が発熱が生じるのに対し、60代では16%、70代では7%しか発熱が生じません。

 私自身も2回目の接種翌日は、仕事が出来ない程の倦怠感に襲われました。

 オカルトではなく、このようなデータから判断し、若者がワクチン接種をしないという選択は合理的な選択です。

 さらに、私自身が18歳の1人暮らしを始めたばかりの大学生の時に、現在のような状態であったのなら、耐えられなかったのではないかと感じます。

 誰も知らない場所で、誰とも会う事が出来ず、外出も自粛し、旅行にも行けない。経験も知識も、お金もない18歳の大学生がコロナウイルスの中で生きていく事は、経験も知識も、お金もある私達とは比較にならない程の不安があるのではないでしょうか。

 

 「正義は議論の種になるが、力は非常にはっきりしている。そのため、人は正義に力を与えることができなかった。」

 「悪いな。俺は、誰かがパスカルを引用したら用心すべきだと、かなり前に学んでいる。」

 「そうくると思ってたよ。オルテガだな。もしも、君がパスカルを引用したら、やっぱり僕も同じ言葉を返しただろう。」

 アニメ史において最もかっこいいと感じている『PSYCHOPASS』槙島と狡噛の初対面での会話が頭を過ぎります。