「オハラの文献は確かに‥政府に見つかるわけにはいかないが、私自身の興味で内密にエルバフへ行き‥資料を全て読ませて貰った。ーつまり、オハラの読み解いた世界の謎は‥私が全て‥この脳に受け継ぎ、研究を進めてきた‥。」
『ONEPIECE』ベガパンクの言葉です。
大人になり勉強を始めるものの「中々覚えられないな。」と感じた事はないでしょうか?
確かに、学生時代のように暗記する能力は、大人になると低下します。
しかし、最新の科学において、脳は生涯に渡って成長を続ける事がわかってきています。
言い換えるのであれば、脳は死ぬまで未完成なのです。
理解を担う超側頭野は、30代でピークを迎えます。
視覚や聴覚から入ってきた情報を基に分析や理解をする超前頭野は、40代でピークを迎えます。
実行力や判断力を司る長前頭野は、50代でピークを迎えます。
これらの脳力は遺伝だけではなく、後天的に伸ばしていけるものです。
脳のピークは、30~50代。その中でも、45歳~55歳が、脳の最盛期とも言われています。
では「55歳からは脳力は低下してしまうのか」と言うと、そんな事はありません。
脳がピークを迎える時期に、脳をきちんと働かせておけば、60代以降になっても、脳は成長を続ける事が出来ます。
しかし、脳の仕組みだけを見れば、大人の脳に切り替わっていく20歳頃から脳細胞は減少していきます。
緩やかではあるものの、脳の老化が始まっていると考える事も出来ます。
ただ、脳細胞の減少=脳の成長を止めるわけではないのです。
生涯の中で、脳細胞が最も多いのは、1歳前の乳児期です。
しかし、脳の成長という観点からは、1歳以降に言葉を話すようになり始めてからの方が、成長は著しいです。
乳児期を過ぎた脳内ではアミノ酸等の物質が増えていき、脳細胞の成長をサポートするようになっていきます。
ただ、これだけでは不十分です。
脳細胞の数がそれだけ増えても、脳細胞同士を繋ぐ情報伝達回路のネットワークが脆弱であると、脳を機能的に働かせる事が出来ません。
脳力を上げるのは脳細胞ではなく、脳細胞同士のネットワークの発達なのです。
親が子どもに出来る事を挙げるのであれば、心の発達と脳細胞同士のネットワークの発達、この2つをサポートする事です。
突き詰めれば、学校も遊びも勉強もスポーツも、子どものやる事全ての目的は、上記2つに集約されています。
脳細胞同士のネットワークを拡げて連携を強化させていけば、脳の機能を後天的に伸ばしていく事も、可能です。
これが、大人が脳力を成長させていくという事です。
その為には、まず脳の仕組みを理解する必要があります。
続きは、また後程。