スヌーピーに代表される誰もが知るキャラクターでお馴染みの『ピーナッツ』の作者シュルツが亡くなったのは『ピーナッツ』の最後の連載が紙面に載る数時間前でした。
運命のいたずらか、50年にも渡る連載終了が紙面の見出しになるはずが、作者シュルツの死が紙面の一面になってしまいました。
見方を変えれば、シュルツは自らが愛する『ピーナッツ』のキャラクターとともに、自らの人生に終止符をうったと捉える事も出来ます。
子どもの頃『ピーナッツ』や『ムーミン』を読んだり観たりしている時に、どこか怖さのようなものを感じた記憶があります。
作画の影響かと思っていましたが、現在振り返ると、哲学的な言葉も怖いと感じた一因だったのかと思います。
シュルツによると『ピーナッツ』は人が恐れてきたものをテーマにしているようです。
様々な恐れをどのように乗り越えていくかという悩みや葛藤を、子どもの日常的なドタバタ劇の中で表現しています。
可愛いキャラクター達も、実はそれぞれが人間の弱さの一面を象徴しています。
チャーリー・ブラウンは、誰もが持っている不安感と人に好かれたいという願望を。
ルーシーは、世界は自分を中心に回っていると思って疑わない傲慢を。
ライナスは、いつも抱きしめて離さない毛布に、握りしめて離さない執着を。
ウッドストックは、自分がちっぽけで重要な存在ではないという自覚を。
登場するのは、小さな子どもばかりですが、そこに込められたメッセージは大人向けです。
『ピーナッツ』の中では「Good grief」(やれやれ、お手上げだよ)という言葉が頻出します。
まさに、私達の日々の生活は、うんざりしてしまうような事で溢れています。
そんな状況が続けば、気が滅入ってしまいます。
「気が滅入るだって?きみの生活にはユーモアが足りないのかも‥」
スヌーピーの言葉です。
真剣に考え過ぎて、心のゆとりを失ってしまう事は、よくあります。
大人から言われても「わかってるよ。」と反発したくなり聞く耳を持てませんが『ピーナッツ』の小さな住人に言われると、心に響きます。