「正義、大切なことをよく覚えておきなさい。」
「自分自身に優しくできない人間は、誰にも優しくできないのです。自分自身に刃を向けながら他者に優しくあろうとしても、所詮それは仮初の優しさです。」

『宝石商リチャード氏の謎鑑定』リチャードの言葉です。
4月の誕生石は「宝石の王様」ダイヤモンドです。
ダイヤモンドは、炭素で出来た鉱物で、単一元素で構成される唯一の宝石です。
ダイヤモンドは、自然に存在するものの中で最も硬いとされています。

希少性も魅力の1つであり、産出量が少ない上に、その中からジュエリーに用いられるグレードのダイヤモンドはさらに限られる事も「宝石の王様」と呼ばれる所以です。
「己を知るものは、己が足らぬことを知る。」
「己を知るものは、己が弱きことを知る。」
「己を知るものは、己が変わる事を恐れぬ。」

『終末のワルキューレ』太陽神アポロンの言葉です。
ダイヤモンドの名は、ギリシャ語で「無敵」「誰にも制服されない」を意味するAdamasu(アダマス)が由来です。
ギリシャ神話の中では「太陽神アポロンの守護石」とされています。
ダイヤモンドは古来より、護符や守護石としてされていた事より「厄災や困難を退ける」と信じられ、それが派生して「2人の愛が永久に途切れないように。」との願いを込められたブライダルの宝石となっていきました。
圧倒的な透明感と、何者にも傷つけさせない硬さから「純潔」「純粋な愛」といった意味合いも併せ持ち、婚約指輪としても、圧倒的な人気があるダイヤモンド。
永遠に光り輝くダイヤモンドは「2人の生涯が光に満ちたものであるように」という願いに、うってつけです。
私は、ダイヤモンドは、パートナー以外の大切な人に贈るのにも宝石に相応しいと、考えています。
大切な人にダイヤモンドを贈ると、強い輝きが邪悪な目を追い払い、身に付ける者を厄災から守ってくれると信じられてきました。
この物語は、親元を離れる子どもに贈る風景を、私に思い起こさせてくれました。
「ただ昨日よりも今‥そして、今この刻よりも、美しくなるために、オレ様は、魂を焦がす。」

『終末のワルキューレ』太陽神アポロンの言葉です。
ダイヤモンドは、その硬さ故に、旧い時代においては、現代のような美しい輝きに磨き上げる事は出来ませんでした。
そうした事から、旧い時代におけるダイヤモンドの位置づけは、現代とは異なり、男性が戦いのお守りとして身に付ける、魔術的な意味合いを持っていました。
そして「無敵」である事から、ダイヤモンドは、勝利をもたらす石として尊ばれていました。
人が、長い長い人生を歩んでいく為には、支えとなるものが必要です。
パートナーに贈る事は勿論、旅立つ子どもに贈る・1人で生きていくと決めた自分に贈る。
宝石には、多様な意味合いがあります。
そして、その意味合いを自分自身で解釈し、自分の物語を描き加えていく事も可能です。
宝石を心の支えとする事も、1つかと。