「前から思ってたけど、王様って何でダメなの?」
『ハイキュー』日向のコート上の王様・影山に対する言葉です。
影山は、自身の理想を貫こうとプレイしていたら、ある時味方の誰も反応しなくなり、影山自身もコートから下げられてしまいます。
影山は、この経験を嫌な思い出として、ずっと心に抱え続け、バレーを続けてきました。
このような経験がある方も、多いのではないでしょうか。「自分が最善のパスをしても、味方がそれに応えない。」という経験は、自身の中に様々な感情を呼び起こします。そこで、一言本音を漏らしてしまえば、チームだけではなく、自らの立ち位置さえ失ってしまいます。
これは、スポーツだけではなく、学校でのいじめや、仕事での人間関係等、どのような場面でも通ずる事ではないでしょうか。
「でもどっちみち影山が何言っても納得しなかったらオレは言う事聞かない!だから、お前が王様かどうかはあんまり関係ない。」再び、日向の言葉です。
「スパイカーが打ちやすい以上に最高のトスは無い。それは確かにコミュニケーションを探っていくもの。でも、ケンカしないって事じゃないと思うぞ。」
烏野高校コーチ鵜飼の言葉です。
ここから、影山は、チームメイトが欲しいトスではなく、チームメイトの最高を引き出すトスを出すように変化していきます。
どのような選手も、チームメイトとお互いを高め合う環境でなければ、輝くことは出来ません。
どのような選手も、選手の思考を尊重し、その先へ導くような指導者がいる環境でなければ、輝くことは出来ません。
さらに、ここから影山は、「自分は間違っている可能性がある。」という思考の柔軟さも持ち合わせ、駆け上がっていきます。