…この村は、卑弥呼という巫女が託宣によって村を指導し、村の人間は彼女を妄信していた…
…私と母は、災いの家族として村を追われ、岩穴に住まわされていた。それでも、いずれ卑弥呼様の恩情で村に戻れると、母は毎日そう言っていた…
「あんな村になんか戻らなくていいよ。村の連中は、自分で考える事すら出来ないバカばっかり。何が神の示しだ。何が託宣だ。あのババアの言っている事は嘘だ。全部デタラメなんだ。」
「ヨギ…卑弥呼様を、悪く言うんじゃない。卑弥呼様のお陰で、村が豊かに暮らせてるのよ。」
「…うん。」
…母の病は、日増しに悪化し、結局再び村に足を踏み入れる事もなく死んだ…
…私は、神など信じない。託宣なんてよくわからないもの大嫌いだ。そして、空の方が私にたくさんの事を教えてくれる。もし紙がいるのだとしたら…この私を止めてみろ…
『魔女大戦』卑弥呼の回想です。
ダイエットや体重維持の為に、カロリーゼロの人工甘味料を選ぶ人は多いと思います。
人工甘味料のような食品添加物は、その使用にあたり、毒性試験が行われ、安全性は確認済みです。
私自身、大学生の時『生理学』を教える教員に「カロリーゼロは、身体に悪くないのですか?」と質問をしたら「悪くない。」という返答があった事を記憶しています。
しかし「人工甘味料が長期的にみて、体重管理に有効か」「長期間に渡り人工甘味料を摂取する事が健康に影響しないのか」といった点について、専門家の中で意見は一致していませんでした。
そこで、WHOはこれまで発表されてきた人工甘味料に関する様々な研究を体系的に調査し、新たなガイドラインを策定しました。
人工甘味料は、砂糖の数百倍という強い甘さをもち、砂糖の代替品として利用されています。
人工甘味料は、食べると甘さを感じるものの、体内で分解される事なく、そのまま体外に排出されます。
このように、エネルギー源として吸収される事がない為、カロリーはほとんどありません。
WHOは2023年5月、人工甘味料に関する分析結果をまとめ「体重管理や疾患のリスク低減の手段として人工甘味料を使用しない事を推奨する」と発表しました。
1つ目の体重との関係性について、説明します。
3ヵ月以内という短期の実験では、人工甘味料の摂取により、体重やBMIが減少するという効果がみられました。
しかし、6ヵ月から18カ月に及ぶ長期の実験では、体重を減らす効果が示される事はありませんでした。
むしろ、BMIは上昇し肥満度は増すという傾向があったのです。
つまり、人工甘味料を利用しても、長期的な体重減少の効果はみられませんでした。
2つ目の病気のリスクについて、説明します。
分析の結果、長期に渡り、人工甘味料を利用した場合、2型糖尿病になる確率が23~34%、脳血管障害になる確率が32%、高血圧になる確率が13%高まる事がわかりました。
調査委対象は、どれも人工甘味料の摂取量が1日あたりの許容摂取量内におさまっている事が確認されています、。
その為、リスクの上昇は、大量摂取によって起きるわけではない事も推定出来ます。
人工甘味料の利用は、生活習慣病の予防に繋がるどころか、かえってリスクを高めていたのです。
人工甘味料等の砂糖の代替品を探すのではなく、自然な糖分を含む飲料や食品を選択しましょう。
カロリーがないからと、安易に人工甘味料に頼るのではなく、適切な栄養とエネルギーの摂取を心掛ける事が、体重管理や疾病予防に繋がります。
人工甘味料という甘い嘘に、気を付けましょう。