「成程‥王にでもなる気か?」
…いいねえ。世界一の剣豪。海賊王の仲間なら、それくらいなって貰わないと、おれが困る…
「そうだな‥船長と‥親友との約束があんだ。」
『ONEPIECE』キングとゾロの会話です。
12月24日M1グランプリが行われました。
私の感想は、今年のM1には、王者がいなかったという感想です。
私は、板の上で喋りだけに人生を懸ける男達の生き様が好きで、憧れとともに、毎年M1を観ています。
…サンドウィッチマン、チュートリアル、トレンディエンジェル、ウーマンラッシュアワー、トロサーモン、ウエストランド…
これまで、私はM1で、王者になるべく王者になってきたコンビを幾度も目撃してきました。
「美しい漫才でした。」
2022年決勝のさや香のネタ後の、松本人志の好評です。
「今の時代は、人を傷つけちゃいけないってなっているけど、あなた方がスターになってくれたら、時代が変わる。そういう毒があるのが面白いので、これが王道になってほしいという願いを込めて。」
2022年決勝のウエストランドのネタ後の、立川志らくの好評です。
昨年のM1のさや香の決勝のネタと、ウエストランドの決勝とファイナルのネタは、2022年で最も笑った瞬間でした。
まさに、爆笑が爆発するという王者のネタでした。
しかし、今年のM1には、爆笑が爆発するようなコンビがいなかったというのが私の感想です。
そのような中でも、8,540組の頂点に立った令和ロマンや決勝に進出した10組へのリスペクトはしつつも、私は2006年トリノ五輪を思い出していました。
2006年トリノ五輪といえば、荒川静香を思い出す人も多いのではないでしょうか?
金メダルを獲った彼女へのリスペクトはしつつも、私は「あの演技で金メダルなのか?」と疑問を抱いていました。
翌日、その気持ちを高校の友人に伝えましたが、理解されていない様子でした。
その後に登場してきたキム・ヨナの演技は、金メダルに値する演技であると思います。
しかし、荒川静香の演技が素晴らしいのは勿論ですが、その時・そのタイミングで、他に強い選手がいなかった、またはその時の指導者や報道陣等に上手く扱われる事が出来たという運の部分が、金メダル獲得の1番の要因ではないかと私は分析しています。
フットボールにおいても、これは同様です。
古くは、ポルト→チェルシー、ポルトガル代表としても試合に出続けたパウロ・フェレイラ。
2010年ワールドカップ時の活躍は納得出来るものの、その後、インテル→マルセイユ、日本代表としても試合に出続けた長友。
現代でいえば、バイエルン→インテルのパヴァ―ル、バイエルン→パリのルカ・エルナンデス、両選手とも長らく現代最も強い代表チームであるフランス代表に呼ばれ続けています。
人の成功を決める最も、大きな要因は、運です。
運がある事も、実力のうちです。
勿論、彼らに実力がある事は承知の上ですし、リスペクトもしています。
それでも、私は、運を凌駕する王者を観たい気持ちがあります。
「漫才の歴史は、彼以前、彼以後に分かれる。」
松本人志に、仕掛けた中田敦彦。
2023年私が、最も拍手を送りたい行動でした。