「他人とともに何かを成す時には、ともにいる人達を尊重する気持ちを表に出すべきである。」
ジョージ・ワシントンの言葉です。
私は、仕事柄、福祉・医療で働く方と話したり、会議をする事が多いです。
そこで驚く事の1つに、全ての人ではありませんが、福祉・医療で働く方の中に一定数、自分の意見と異なる意見を言われると、議論を重ねるのではなく、不貞腐れたり・怒り出したり等、感情的になる人と出逢ってしまう事が挙げられます。
意見が違う=その人の事を嫌い
50年も60年も生きてきて、いまだに上記のような認識のまま生き続けている事に、私は驚きを隠せません。
「良い人か‥。それは、その言い方は、僕はあまり好きじゃないんだ。だってそれって‥自分にとって都合の良い人のことを、そう呼んでいるだけのような気がするから。全ての人にとって、都合の良い人なんていないと思う。誰かの役に立っても、他の誰かにとっては悪い人になっているかもしれないし‥。」
『進撃の巨人』アルミンの言葉です。
上記のような言動を取る人は、人を「良い人」「悪い人」の2つのみで判断します。
勿論、その良い人とは、彼ら彼女らにとって、都合の良い人の事です。
無礼な態度を取る人がいる事で、医療費が上がり国にとって大きな損失になる事、無礼な態度を取られた会社員が仕事に全力で取り組まなくなり会社にとって大きな損失になる事を、昨日説明させて頂きました。
それだけではなく、無礼な人は、周りの人の思考力を下げる事も証明されています。
フロリダ大学が、被験者となる大学生を集め、無礼な態度を取る人を見せるグループと、見せないグループの2つに分け、被験者の学習能力・創造性に、どのような変化が見られるかを調べた研究があります。
すると、大学生全般を貶めるような無礼な発言を聞いたグループ(直接個人的に貶められたわけではない)は、そうではないグループと比較し、テストの結果が33%低下し、ブレインストーミングで思いつく創造的なアイデアの数も39%少なくなりました。
次の実験では、直接見ず知らずの人に無礼な態度を取られる設定をしました。
すると、直接見ず知らずの人に無礼な態度を取られたグループは、そうではないグループと比較し、テストの結果が61%低下し、ブレインストーミングで思いつくアイデアの数は半分以下になってしまいました。
この研究から理解出来るのは、誰かの無礼な態度に接すると、認知の為の資源が奪われてしまうという事です。
その結果、作業の能力も、創造性も低下するのです。
成功者が住む場所にこだわるのも、子どもを進学校に進学させたがるのも、彼ら彼女らがここまで理解しているのかはわかりませんが、きっと本能的な部分でここに理由があります。
翻って、親に精神疾患等の問題があったり、パートナーと長期的な関係が築けなかったりしている親の子どもが、親と同じような人生を歩んでしまう事が多い事も、遺伝とともに、ここに理由があります。
私自身、会社にはほぼ私しかいない環境にも関わらず、毎日のように無礼な人と関わり、毎日のように嫌な気持ちになります。
おそらく、あなたは、私以上に無礼な人と関わり、私以上に毎日嫌な気持ちになっている事でしょう。
犯罪がなくならないように、無礼な人も、なくなりません。
でも、出来る事なら、無礼な人に、あなたの貴重な能力や創造性を奪われたり、無礼な人の事を考える事で仕事の実績を下げる事は防ぎたいものです。
出来る事なら、一緒に働く人を選択する場合、礼節のある人を選択する事を、強くお勧めします。