「人は、理由を求める。なぜ成功したのか。なぜ失敗したのか。何が良かったのか。何を避けるべきだったのか。」
「僕たちが争い、結果が出れば、誰もがそれに理由を見出す。」
「だが、そのどれもが、結果論に過ぎない。人生は、くじ引きで、僕たちは、たまたま生き残った。」
「自分の力を過大評価したいから、人は、後付けで理由を探すんだ。」

『ジャンケットバンク』伊月の言葉です。
♦自由意思は、存在しない
多くの人は「意思決定」に重きを置きます。
しかし「意思決定」自体は、さほど重要ではありません。
「意思決定」が重要であるのなら、人生は、ギャンブルになってしまいます。

♦大切なのは、選択を正解にする為の努力
重要なのは「意思決定」ではなく、選択した「意思決定」を、正解にする努力です。
☆この人が悪い
★この会社が悪い
☆この社会が悪い
「意思決定」が重要であると誤った世界観を持つから、上記のように、人の所為・環境の所為にし続けてしまうのです。
人を変えても、環境を変えても、あなたの世界観が変わらなければ、何も変わる事等ないのに。
1980年代、アメリカで意識の常識を覆す研究が行われていました。
▲被験者に脳の電気信号を測定する装置を取り付け、手首を動かして貰い、脳の電気信号を測定
①手首を動かそうと意識をする
②脳から「筋肉を動かせ」という指令が出る
③手首が動く
手首を動かす過程は、上記のようであると思いませんか?
しかし、実験の結果は、異なるものでした。
▼手首を動かそうとする数秒前から、脳において準備電位が確認された
つまり「手首を動かす」という意識をするよりも前から、脳は「手首を動かす」という電気信号を出しているのです。
「手首を動かす」という意識が先にあるのではなく「手首を動かす」という行動を起こした後に、後付けで「手首を動かす」という事をやったのだと、認識をしているのです。
「牛島さんは、レシーブの時、何を考えていますか?」

『ハイキュー』日向が、牛島に質問する言葉です。
日本を代表するスパイカーに、スパイクの事ではなく、レシーブについて、質問する事で、スポーツの本質を捉えていることが理解出来ます。
高校時代、私も友人と会話をしている時に、ロウナウジーニョと話が出来たら、どんな話をするかという話題で盛り上がった事がありました。
友人は、エラシコやノールクックパス等と言っていましたが、私だけ真面目に「トラップする瞬間、何を考えているか。」と答えたことを記憶しています。
サッカーのトラップは、バレーのレシーブ同様、プレイの始まりとなります。
「トラップが大切。」とよく言われますが、その意味を考えたことがある人は、あまりいないのではないでしょうか?
トラップが大切な理由は、トラップにその選手の思考の全てが、凝縮されるからです。
つまり、トラップを見れば、その選手が考えているのか、そうでないのか、またどれ程考えているのか等を理解することが出来ます。
「牛島さんは、レシーブの時、何を考えていますか?」
ここから『ハイキュー』が、さらに進化したと私は、感じています。

♦自由意思はないけれど、自由に拒否する意思はある
▼「手首を動かす」という行動を起こす直前に「いや、やめよう」と拒否する過程がある事が確認された
「意思決定」の本質とは、自由に意思決定が出来るという事ではなく、最後に意思により拒否をする事が出来る事にあります。
私達には、自由意志はないけれど、自由に拒否をする意思はある事が、研究により証明されています。
「何をしてきたかと同じ位、何をしてこなかったかを誇りたい。」
スティーブ・ジョブズの言葉です。
人は、拒否をする事で、自分の未来を、コントロールしているのです。
「天堂さんは変人だけど、変人なりに筋が通ってるってことだよ。」
「彼は自分が神様じゃないと分かった上で、自分を神様だと信じている。世界がどう見えるかを決めるのは、自分の意志だと知っているから。」
「‥つまりその意志が、アイツが言う神の声ってヤツか?」
「意志・常識・正義・矜持・希望・自信。呼び方は何でもいいけど、自分が求めるモノを見つめろ。そう村雨さんに説いてるんだよ。」

『ジャンケットバンク』真経津と獅子神の会話です。