「いいかい?怖い時、不安な時こそ、笑っちまって臨むんだ。ここまで来たんだ。虚勢でもいい。胸を張っとけ。私が見込んだってこと忘れるな。」
『僕のヒーローアカデミア』オールマイトの言葉です。
2004年ロナウジーニョの登場と、その後の「WE LOVE FOOTBALL」最強バルサにより、フットボールに笑顔が生まれました。
笑う事により緊張を解き、笑顔により相手選手にリスペクトを伝え、その笑顔を観て私達も笑顔になるという好循環が、ロナウジーニョと最強バルサ以後は生じていました。
しかし、時を経て、2022カタールワールドカップにおいては、笑顔があまり見られないように思われます。
笑っているのはネイマールと、苦笑いを浮かべる日本選手位ではないでしょうか。
もちろん、ロナウジーニョ登場以前の相手を憎き敵とみなし目も合わせなかったり、必要以上に味方選手に叱責をするようなわけではありません。
カンセロがソンフンミンにだけは手を重ねて握手をしたように、相手選手へのリスペクトは、きちんと残っています。
表情が変わらない事は、Z世代特有なのでしょうか。
喜びや怒り、悲しみをオープンにするのではなく、表情を変えず、しかし、きちんとやる事はやっていく。
EUROでも、チャンピオンズリーグでも、各リーグでも、ワールドカップ前は、これまで通りの笑顔が見られていました。
しかし、ワールドカップでは、フットボールの文化とも呼べる笑顔が少ない印象を受けます。
世代の違いなのか、ワールドカップがそうさせているのか、私はこの変化に注目しています。
EURO2004で、ジダン・フィーゴ・ルイコスタ等、多くのレジェンドがピークを迎え、ロナウド・ロッペン・ルーニー等、世界の主役達の世代交代が行われました。
2022ワールドカップでも、メッシ・ロナウド・ネイマール等、これまでの世界の主役が、フットボールの中心から幕を下ろす準備を始めています。
個人的には、ロナウジーニョが構築した笑顔がフットボールの文化であるという物語を続けてほしい気持ちです。
しかし、時代は価値観とともに、変化していきます。
少し早いですが、ワールドカップ後の、フットボールの世界観が、どのようになっていくのかを想像してしまいます。