大学生の頃、東京に旅行に来た時、偶然森鴎外縁のホテルに宿泊しました。
そのホテルは、森鴎外旧邸であり、『舞姫』を執筆した場所でした。
高校生の頃、現代文の教科書に載っている『舞姫』を何度も読みましたが、どこが面白いのか私には疑問でした。
そのホテルも、コロナウイルスの影響を受けて、5月末で営業終了となってしまいました。
10年以上経過した現在、私の住まいの近くに森鴎外記念館があります。ここは、終生鴎外が生活してきた住居跡です。
年齢を2歳誤魔化し、現在の東大医学部に入学し、首席で卒業した鴎外。
出世を第一に考え、ドイツで出来た恋人に子が身籠っても、出世の為1人帰国した鴎外。
従来の枠からはみ出る考えを排除し続け、他人の意見を聞き入れない為、脚気の原因を認識出来ず、何万人もの軍人を犠牲にしてしまった鴎外。
左遷させられて、ふて腐れることなく、禁止されていた執筆活動を続け、見事誰にも文句を言われない地位にまで昇りつめた鴎外。
鴎外の人生を振り返るだけで、人生の教訓を得ることが出来ます。
私の中の鴎外は、文豪というよりも、人生の教訓を得る人物です。