戦国時代は、基本的に各武将は縦の関係であり、命令に従う代わりに、領土は安泰という主従関係の元、生存を果たしていきました。
江戸時代になると、各階級や生まれた家ごとの縦の関係が、死ぬまで続くことが、ほとんどでした。
現代でも、日本人の多くの人に残る縦の関係は、このように日本人のDNAに刻み込まれています。
この縦の関係を、利益の関係にした人物が、坂本龍馬であると考えています。
龍馬の名が世に知れるようになったのが、薩長同盟です。
当時、犬猿の仲であった薩摩と長州を仲介したのが、龍馬です。
禁門の変にて長州を京都から押し出したのは薩摩であり、また、1度目の同盟の話し合いの場に西郷はドタキャンし、現れませんでした。
これまでの経緯含め、互いの感情のぶつかり合いでは話し合いは決裂すると考えた龍馬は、お互いの利益になるような提案をしました。
薩摩に足りない物を長州が、長州に足りない物を薩摩が、送り合うという関係の元に、同盟をしてみてはどうかという提案です。
薩摩は米が足りず、長州は鉄砲が足りていませんでした。
長州に米はたくさんあり、薩摩に鉄砲はたくさんあることを知った上での、提案です。
これまでの経緯や感情を抜きにしたお互いの利益を図る目的とした提案を、薩摩・長州の2藩は受け入れ、薩長同盟は成立します。
薩長同盟以降、日本は倒幕への道を突き進みます。
私が、経済に興味を持ち始めたきっかけは、龍馬でした。
同じ物でも、Aという場所よりも、Bという場所の方が価値が高くなる、これが差異です。
差異を頭に入れることで、様々な仕事の本質を理解することが出来ます。