私の中のEURO2

 スロバキアVSポーランドの試合前、ハムシクとジーリンスキが抱擁を交える姿は、カルチョファンにとっては、胸が熱くなるシーンでした。

 2010年代私が最も夢中になったチームが、サッリのナポリでした。

 当時のキャプテンがハムシクであり、若手として台頭し始めてきたのがジーリンスキです。

 上記の2人はもちろん、当時のサッリボールを支えたメルテンス、インシーニェ、ジョルジーニョ等が様々な国を代表して戦う姿を観れることもEUROの醍醐味です。

 スルーパスを成功させる条件は、2つあります。

 タイミングとボールスピードです。

 タイミングは合わせると、外すがあります。

 合わせるのは味方の選手と合わせる、外すは相手とのタイミングを外すです。

 キックの精度があることが前提条件ですが、多くのスルーパスはタイミングにより成立しています。

 私は、タイミング以外にスルーパスを成功させる方法に、ボールスピードを変化させる事があると考えています。

 この方法でスルーパスを出すことが出来る選手は限られますが、味方とのタイミングが少し遅くずれてしまったら、パスのスピードを上げる、もしくはパスのキックの種類を伸びるキックに変更させればいいのです。

 逆に、味方のタイミングよりも早くなってしまったら、パスのスピードをゆっくりにする、もしくは空中にボールがある時間を少し延ばせばいいのです。

 ハムシクは、この2つのスルーパスの成功条件を、左右どちらの足からも、淡々と成功させることが出来ます。

 また、EUROの楽しみ方の1つとして、チームでは11分の1の存在であった選手が、代表ではリーダーになったり、絶対的な存在になったり等、11分の1以上の存在になる化学変化を観れることです。

 ハムシクと同じスロバキア代表シュクリニアルが、上記のような選手です。

 20/21シーズンインテルの放出候補であったシュクリニアルですが、1試合毎に与えられた役割を確実に実施することを重ねる事で、インテルに欠かせない存在に成長していきました。

 それでも、シュクリニアルは、インテルでは11分の1の存在です。インテルには、他にリーダーや絶対的な存在がいるからです。リーダーや絶対的な存在が、何人もいると、組織として機能しなくなることも、組織の奥深い部分です。

 ただ、シュクリニアルは、スロバキア代表においては、リーダーとしての役割を担い、11分の1以上の存在になっています。

 ワールドカップよりも、レベルの高いEUROから、様々な事を学ぶ事が出来ます。