「嫌いなんだな。兄弟が。」
「嫌いやね。弟よりデキの悪い兄なんか居る意味ないやろ。首括って死んだらええねん。」
「その兄弟達のおかげで、今のオマエがあるのかもしれんぞ。」
「は?今めっちゃキショイこと言うた?ドン引きやわ。」
「デキが良かろうと悪かろうと、兄は弟の手本なんだ。兄(オレ)が道を誤ったのなら、弟はその道を避ければいい。兄(オレ)が正道を歩んだのなら、弟は後をついてくればいい。オマエが強いのは、オマエの兄が弱いおかげだったら、どうする?何故俺がしぶといのか聞いたな。教えてやる。」
「俺には、手本がない。何度も何度も間違える。それでも、弟の前を歩き続けなければならん。だから、俺は強いんだ。」
『呪術廻戦』脹相と禪院直哉の会話、そして、脹相の言葉です。
家族の中には、5つの役割があります。
この役割は、家族だけではなく、学校や会社等においても当てはまる為、これを知っている事で、チームビルディングに役立ったり、組織の問題点解消にも役立ったりします。
①ヒーロー/ヒロイン
②犠牲者
③傍観者
④問題児
⑤チャーマー
家族の中には、上記5つの役割があるとされ、家族の中の誰かがこの中の1つ以上の役割を担います。
1人が複数の役割を担う事もあれば、時により役割が変わる事もあります。
そして、これらの役割は、それぞれの立場で「家族を救う」事を目的としている事が重要なポイントです。
①ヒーロー/ヒロインは、光り輝くポジションで、家族を幸せにする為に頑張るリーダー的存在です。
一般的には、家計を支え精神的にも大黒柱を務める父や、成績や運動能力等が優秀な家族の期待の星である長男・長女が収まる事が多いです。
人に与える事が大好きで、家族が喜ぶなら多少無理をしてでも、目的を遂げようとする所があり、家族にとっては誇れる存在です。
その一方、正義感が強く、融通が利かない一面もあり、自分のやり方を周りに押し付けてしまう事もあります。
その結果、1人で頑張り過ぎて、孤独になり、逆に輪を乱す事もあります。
良い人や優等生、模範となる事が多いヒーロー/ヒロインですが、家族の期待を背負い込んで、その重責から潰れてしまう事も珍しくありません。
また、ヒーロー/ヒロインは、常に輝いていなければならないという信念から、失敗や挫折を恐れ、失敗や挫折を受け入れる事が苦手であるという特徴もあります。
その為、②犠牲者や④問題児に責任を転嫁したり、問題から目を背けてしまう等、精神的に弱い一面も持ち合わせています。
②犠牲者は、家族を支える昭和のお母さん的なポジションです。
「私はいいから」と遠慮したり、辛い事があってもひたすら我慢を続けたりと、自分を犠牲にする事で、家族を救おうとします。
家族全員を受け入れようとする存在の為、他の家族がヒーロー/ヒロインには言えない事を受け入れる役割でもあり、家族の中で最も頼られる存在であると言えるかもしれません。
一般的には、母親がこの役割を担う事が多いのですが、時には、子どもがこの役割を担う事もあります。
家族の土台となり、調整役を務めたり、家族の不満を聞いてガス抜きをしたりする、所謂、縁の下の力持ちでもあります。
犠牲者は、表に立つ事を遠慮し、1番後ろから家族を見守る立場にあります。
その為、自分の価値を実現する事や家族からの愛を受け取る事が苦手であるという一面を併せ持ちます。
その立場故に、愚痴や不満を言いたくなり、④問題児のような振る舞いをする事もあります。
このような立場から、ヒーロー/ヒロインに気を遣い、ビクビクしながら過ごす一面もある為、精神的なバランスを崩しやすい事も特徴の1つです。
家族や学校、会社等の組織をみる時、このような理論を頭に入れておく事で、視野が拡がる事を約束します。
そして、上記5つの役割は、特にビジネスにおいて重要な役割を果たします。
「優秀な人材を2人集めたら、どちらもヒーロー/ヒロインタイプであった為、プライドが高く、常に張り合い、問題児になってしまった」
「犠牲者が多い集団の為、人の話を聴く力に長けてはいるが、話の結論が出ず、前に進まない」
「チャーマータイプが複数いる為、笑いの絶えない楽しい職場だけど、結果を出す事が出来ない」
このようなケースは、どのような組織においても存在します。
そして、家族において担ってきた5つの役割は、あなたが学校においても、会社においても、担う役割と同様の事が多いです。