「走りっぱなしの奴なんて、この世にいない。進んで止まって、止まって進んで、人はそれを歩みと呼ぶんだ。」
『あひるの空』車谷智久の言葉です。
…我々が経験から学ぶという事。そして、書物或いは他の人々の言説が経験に関連のあるものであって、はじめて、それらのものから学ぶという事は、たんなる言葉のうえだけの事ではない…
デューイ著『学校と社会』の一部抜粋です。
私は、デューイの「為す事によって学ぶ」という「経験主義」「実験主義」を教育の基本原理とした考え方に、大学時代強く惹かれました。
大学時代「教育」「福祉」を専攻していた私は、大学で指導をする教員達が「1度もオムツ交換をした事がない」人ばかりである事が、疑問でした。
私を目に掛けてくれた教員とは、上記の疑問を投げかけ、1時間半議論を重ねたのも、今となっては良い思い出です。
その時に、自分の主張をする為に「自分の感想」以外の武器が欲しいと感じ、出逢ったのが上記のデューイ『学校と社会』でした。
『学校と社会』において当時の学校教育を批判し「経験主義」「実験主義」という新しい教育原理を提唱したデューイが『民主主義と教育』の中で「教育の全ては、児童から始まる」と述べている事に、私は驚きました。
私の中でのデューイは、冗談が通じないような厳格な人物であるというイメージであった為、そんな彼が「教育の全ては、児童から始まる」という包み込むようなメッセージを残している事に私は驚き、理想があり、その実現を図るには、厳しい批判もし、そして、厳しい批判だけではなく、新しい提案をしていく必要がある事を学びました。
そんなデューイの「教育理念」は、キルパトリックに受け継がれます。
キルパトリックが提唱した「プロジェクト・メソッド」は、学習者自身が生活の中で課題を見つけ、自主的に解決をしていくというメソッドです。
①目標の設定
②実現の為の計画立案
③修正しつつ実行
④結果の評価
この手法は、どこか見覚えがないでしょうか?
そうです。
私達が仕事の中で行う「PDCAサイクル」そのものなのです。
ここで、デューイが主張していた「子どもが自ら生活の中で問題を発見し、分析して、仮説を立てて検証する」事を私自身が実践すると、ビジネスにおける世界観や考え方の多くは「教育の理論」から引っ張ってきたものではないかと仮説を立てています。
確かに、親が子どもに「地理」「歴史」を教科書を通じて教えるよりも、教科書に出てくる場所に、家族で旅行に出掛け、その現地の思い出とともに、勉強をしていく方が、子どもの好奇心は満たされ、子ども自ら勉強をするようになります。
☆学習を細分化した「スモールステップの原理」を提唱したスキナー
☆課題を1人で解決出来た時の水準と援助を得て達成出来た時の水準のひらきを「発達の最近接領域」と提唱したヴィゴツキー
☆すでに持っている知識と関連付ける事で学習者の認知構造に意味をもたらし知識の定着を図る「有意味受容学習」を提唱したオーズベル
デューイ・キルパトリック以外にも、現在のビジネスにおいても使われている手法が、教育者により提唱されています。
この仮説を検証すると、ビジネスの本質とは「人を育てる」事にあると結論を出す事が出来ます。
現代は「物を所持する」ではなく「体験をする」事に比重が置かれるようになっています。
「体験をする」という事は、「今までにない自分に出逢う」事と同義語であり、「今までない自分に出逢う」事とは「成長する」事と同義語です。
「成長する」事をビジネスとして提供する事とは「人を育てる」事になります。
「教育」に関して学び直し、あなたの好きな理論を見つけ、その理論とあなたの知識・経験を重ね合わせる事で、あなたにしか出来ないビジネスを提供出来る事を約束します。