納得しようとしていない人を、納得させることは出来ない

 私は、仕事の1つとして、要支援1や要介護1等の介護認定を決定する材料の1つとなる認定調査をしています。

 私は、この認定調査の仕事が好きです。

 その理由は、再現性のある科学的な仕事であるからです。

 認定調査の定義を理解し、その理解を実際の現場に活用することが出来ることと、定義と現場で生じた現象を文章化出来る能力がある人が、認定調査をすれば、全国どこで誰を調査しても、同じ結果が出るようなアルゴリズムになっています。

 その調査に行くと、稀に「デイサービスに2回行くことが出来ないと困る。」等という主張を、やや脅迫じみて伝えてくる人がいます。

 介護の認定結果を決めるのは、認定調査員ではなく、認定調査員が作成する書類と主治医の意見書の2つを参考にし、介護認定審査会という区役所の機関が決定する旨をいくら説明しても、上記のような方は、納得しません。

 納得しない理由は、納得しようとしていない為です。

 こちらがいくらわかりやすく説明をしても、納得しようとしていない人を納得させることは出来ません。

 謝罪をしたにも関わらず、その人が批判され続け、以前のような活躍が中々出来ないことも、謝罪を観ている側の人が、そもそも納得しようとしていない為です。

 完璧な人等、存在しない為、誰でも失言や過ちをします。

 謝罪をする必要すらないことの方が多いと思いますが、それでも謝罪をする人に対して、観ている側は納得しようという気持ちを持たないことには、批判ばかりをしてしまいます。

 全てを許す必要はありませんが、納得しようという気持ちを持つことは、忘れないようにしたいものです。