純粋無垢であるというパールの在り方

 

 「人種、宗教、性的嗜好、国籍、その他あらゆるものに基づく偏見を持たず、差別的発言をしない。」

 『宝石商リチャード氏の謎鑑定』リチャードの言葉です。

 

 

 6月の誕生石は、パール(真珠)です。

 「人魚が恋人を想って流した涙が、波にはじけて宝石となった。」

 「月の雫が結晶になった。」

 「稲妻が貝に入り、受胎して生まれた。」

 パールの誕生には、様々な素敵な伝説があります。

 

 パールは、他の宝石とは異なり、アヤコ貝等の二枚貝等の生物が作り上げる宝石です。

 それ故、研磨技術が高くなかった時代には、ダイヤモンドよりも価値が高いものでした。

 

 パールの宝石言葉は「純粋無垢・健康・富」です。

 

 パールは、結婚式等の祝いの席から、葬儀等の弔事の席にでも身に着ける事が出来る多様性のある宝石です。

 球体のパールには切れ目がなく、円を描いています。

 それが縁を結ぶとされ、結婚式等でも縁起が良いとされ、着用されます。

 

 一方「人魚の涙」「月の涙」等と形容される事でも理解出来る通り、パールは涙の象徴でもあります。

 その為、悲しみと共に個人を偲ぶ葬儀等でも着用される事が多いです。

 かつてエリザベス女王が、国葬でパールを身に着けた事が始まりとも言われ、葬儀等にパールを身に着ける事は世界共通となっています。

 

 純粋無垢はパールは、主張をし過ぎず、その場の環境に適応する事が出来る宝石です。

 これは、優雅さと上品さを併せ持つパールだからこそ、成せるものでしょう。

 生物が作り出す宝石ゆえの、内なる力強さを感じる事が出来るパール。

 身に着けても違和感を感じる事のない自然さで、確かな美しさを控えめに、そして、優しく見せてくれます。

 また、パールは日本人にとっても、邪馬台国の時代から馴染みのある身近な宝石であり、和と調和する事が出来る稀有な宝石でもあります。