終わらない物語はない

 「美しい花もいずれは枯れて散る。それが命あるものすべての宿命だ。ならいっそ、咲き誇る姿のまま時を止めてしまいたいと思うのは、無理もない話だね。」  『PSYCHOPASS』槙島の言葉です。  昨シーズンチャンピオンズベスト8まで躍進し、今シーズンはリヴァプールに勝利し、ベスト16でマドリードに挑むことになり、気持ちが高まるはずのイタリア最強の攻撃力を持つアタランタに激震が走りました。  監督ガスペリーニとキャプテンパブゴメスに確執が生じ、ガスペリーニは辞任すると言い、パブは試合に出ることが出来ない状態が続いています。  「ガスペリーニ引くアタランタはゼロであり、パブゴメス引くアタランタもゼロである。」  北川さんの言葉通り、アタランタはガスペリーニとパブの2人により、躍進をしてきたチームです。イタリアの中でも、特に感染者が多いベルガモの人にとって、アタランタの躍動は心の支えそのものでした。  ガスペリーニは、ロッカールームにオオカミの写真を貼っているそうです。オオカミの群れ同様、チームにも、1人1人役割があり、その役割を果たさなければ群れが滅びるというメッセージです。その群れのリーダーが、パブゴメスでした。  アタランタのフットボールは、パブとイリチッチが自由に動き、他の選手には忠実に役割が与えられおり、その自由と忠実が生み出すハーモニーが魅力です。  槙島の言葉通り、美しい花もいずれは枯れて散ります。終わりのない物語は、ありません。  ガスペリーニとパブとアタランタの物語は、終わりを迎えるのかもしれません。  しかし、ユベントス戦後半途中からパブが入ったことで、確実にアタランタのフットボールは魅力的になりました。時間を作ることが出来る選手は、大きな価値があることを再び証明してくれました。  ガスペリーニとパブとアタランタの物語をまだ観たい気持ちがあるとともに、パブが新たな地で時間を作る選手の存在価値を証明してくれる姿も観たいという気持ちもあります。