結果より過程が大事と大人が言うて、子供はイマイチ納得せん。でも、俺は大人に大賛成や。俺を構築すんのは、毎日の行動であって、結果は副産物に過ぎん2

 

 「裕太は、幼い頃からあんな感じだった。ボクと裕太は、全然違う。それは、あの時‥はっきりとわかった。」

 「あれは小学校4年生の時、夏休みに家族で行った伊豆の海‥裕太は小学2年生。裕太と一緒にボクは海に向かって駆け出した。なんのためらいもなく思い切り海に飛び込んだ裕太‥。波を目の前にして足を止めたボク‥。あの時‥ボクの胸に深く刻み込まれたんだ。ボクと裕太は違うって‥。」

 『ドラゴン桜2』天野の弟である裕太に対する脳内言葉です。

 

 子どものマインドセットは、どこから生じるのでしょうか?

 キャロル・ドゥエックは、小学5年生の子どもを集め、無作為に2つのグループに分け、IQテストを実施しました。

 テスト後、1つ目のグループの子には「とてもいいスコアだね。あなたは頭がいいね。」と伝えました。

 2つ目のグループの子には「とてもいいスコアだね。頑張って取り組んだね」と伝えました。

 

 その後も、子ども達へのテストを続けた所、1つ目のグループである頭の良さを伝えられた子ども達は、簡単なテストを選びたがり、問題が難しくなると自信を失い、さらにはスコアを自身で計算させると点数を水増しする傾向がみられました。

 2つ目のグループである努力を誉められた子ども達は、選択肢を与えられると難しいテストに挑戦したがる傾向がありました。

 努力を誉められた子ども達は、学習意欲を感じ続ける事を好み、問題が難しくなっても自信を保ち続けました。

 

 

 キャロル・ドゥエックは、今度は実験の舞台を、大学の実験室から家庭に移しました。

 2年間に渡り、4カ月に1度53の家庭を訪問し、普段通りの生活の様子を90分間撮影しました。開始当時、子ども達は1歳2か月でした。

 この撮影により集めた記録を基に、親が使う誉め言葉を「才能を褒める」「プロセスを褒める」「その他」に分類し、その割合を集計しました。

 

 調査開始から5年後、6歳になった子ども達に、挑戦意欲と学習意欲について、再び調査を行うと、興味深い結果が生じました。

 結果は、成長マインドセットを持つ子どもの方が、挑戦を好むというものでした。

 そして、成長マインドセットを持っていたのは、1歳2か月の頃に親からプロセスを褒めて貰っていた子ども達だったのです。

 

 歩き始める1歳前後の頃、男の子のほうが、女の子よりも多くプロセスを褒められる体験をするというデータがあります。

 この頃の子どもが聞く誉め言葉のうち、男の子が聞くプロセスへの誉め言葉は24%、女の子はわずか10%です。

 

 

 恐ろしい事に、幼少期に身に着けたマインドセットは、大人になっても、相当意識をして行動と習慣を変えない限り、ずっとあなたを縛り続けます。

 プロセスを褒める。

 これは、子育てに限らず、パートナーとの関係性、仕事における関係性、友人との関係性等、お互いに成長を望むあらゆる関係性において、多用する事が出来る汎用性の高い方法です。