結果より過程が大事と大人が言うて、子供はイマイチ納得せん。でも、俺は大人に大賛成や。俺を構築すんのは、毎日の行動であって、結果は副産物に過ぎん。

 

 「‥結果より過程が大事と大人が言うて、子供はイマイチ納得せん。でも、俺は大人に大賛成や。俺を構築すんのは、毎日の行動であって、結果は副産物に過ぎん。将来バレーで飯食ってくわけでもないしなオレは。でも、これも結果のうちかなあ。」

 「‥?細かいことはええねん。感情に理由なんか要らん。うれしいは、うれしいでええんや。」

 「ふはは。」

 「何笑とんねん。」

 「せやな。」

 『ハイキュー』北さんが初めてユニフォームを貰った日の帰り道での、北さんとアランの会話です。

 

 1960年代から意欲と根気の研究を続けてきたスタンフォード大学のキャロル・ドゥエックは「何故、困難に直面した時に諦める学生と、スキルは同等なのに粘り強く学ぶ学生がいるのだろう?」という疑問を抱いていました。

 彼が突き止めた両者の差は、出来ない理由の捉え方でした。

 この理由の捉え方には、幼少期の褒められ方が深く関わっています。

 

 キャロル・ドゥエックは、子どもを下記の2つのタイプに分類しました。

  ①成功は生まれつきの才能や頭の良さだと信じる子(硬直マインドセット)

  ②成功は一生懸命努力した結果であると信じる子(成長マインドセット)

 

 硬直マインドセットの子どもは、生まれつきの才能がどこまでもついてまわると信じています。

 彼ら彼女らは「頑張る必要があるのは、才能がないからである。」「才能があれば、自然にうまくいく。」等という言葉に同意します。

 硬直マインドセットを持つ子どもは、失敗すると追い詰められたように感じます。

 自分には才能や頭の良さがないと考え、出来ない子だと思われるのを恐れ、挑戦する事を避ける傾向があります。

 

 成長マインドセットの子どもは、知性は努力により身に付くと信じています。

 勉強すればする程、賢くなれると信じています。

 成長マインドセットを持つ子どもは、挫折した時は、もっと時間と努力と工夫を重ねる事で、乗り越える事が出来ると信じています。

 出来る子であると思われる事よりも、学ぶ事自体に価値を置き、困難な出来事にも粘り強く取り組みます。

 

 成長マインドセットに子どもを導く方法は、プロセスを褒める事です。

 

 驚く事に、わずか4歳で、いずれかのマインドセットが出来上がっています。

 4歳の子どもを集めて、簡単なジグソーパズルをさせます。

 その後、簡単なジグソーパズルをもう1度するか、難しいジグソーパズルに挑戦するかを選んでもらいました。

 すると、硬直マインドセットの子ども達は簡単なジグソーパズルをもう1度する選択をし、成長マインドセットの子ども達は難しいジグソーパズルに挑戦する事を選択しました。

 

 恐ろしい事に、幼少期に身に着けたマインドセットは、大人になっても相当意識して行動と習慣を変えない限り、ずっとあなたを縛り続けます。

 プロセスを褒める。

 これは、子育てに限らず、パートナーとの関係性、仕事における関係性、友人との関係性等、お互いに成長を望むあらゆる関係性において、多用する事が出来るテクニックです。