…もともと僕は魔法が使えなくて、魔法が使えない人でも平和に暮らせればいいと思い、頑張ってました。だから、僕が皆さんに認められたことで、僕の目的は達成されました…
…まあそんな僕が思うのは、色んな人がいていいかなってことです。魔法が使えなくても、シスコンでも、臆病でも、モテなくても、メンヘラでも、悪いことをしちゃった人でも、合理的すぎても、ナルシストでも、親に愛されようと頑張ってても、強さを求めすぎても、裏切り者でも、服が破けてても、みんな仲良く暮らしていけたらいいなって思います…
『マッシュル‐MASHLE-』マッシュの手紙です。
現在、地球上には確認されているだけで175万種の生物が暮らしており、そこには様々な生態系があります。
このように、生物が多様である事を、生物多様性といいます。
生物学においては、生物多様性を①遺伝的多様性②種多様性③生態系多様性の3種類に分類します。
①遺伝的多様性
ある特定の遺伝子について、同じ種の1つの個体群について塩基配列を調べると、違いがみられる事があります。
このように、同じ種内における遺伝子の塩基配列の多様性を、遺伝的多様性と呼びます。
遺伝的多様性が大きければ、生息環境に変化が起きても、その環境に適応して生存出来る可能性が高まります。
その一方、遺伝子の塩基配列に多様性がない個体群は、環境の変化に適応出来ない可能性が高くなります。
②種多様性
それぞれの生態系には、細菌から動植物に至るまで、様々な生物種の個体群が含まれています。
1つの生態系に含まれる生物種の多さと割合により、種多様性は表されます。
ある生態系にA・B・C・D・Eの5種の生物がいた場合、全ての種が同じ割合で含まれている場合と、A種のみが多く他種はわずかしか含まれていない場合を比較すると、存在する種類は同じでも、それぞれの種が同じ割合で含まれている方が、種多様性が大きい事になります。
③生態系多様性
地球上には、森林・草原・海洋等、様々な生態系が存在しています。
たとえば、森林では、気温や降水量に対応して、熱帯雨林や照葉樹林・雨緑樹林等があります。
このように、様々な生態系が存在する事を、生態系多様性といいます。
生態系は、台風・山火事・人の活動により、かき乱されます。
これをかく乱と呼び、かく乱は、その地域の生態系の生物多様性に大きな影響を及ぼします。
では、生物多様性をもたらすには、どのようにする事が最も効果的なのでしょうか?
サンゴを例にとって、考えてみましょう。
熱帯・亜熱帯地方の浅い海域では、多様なサンゴが生息し、サンゴ礁を作っています。
ここで、台風等による強い波がサンゴ礁にあたると、サンゴ礁は破壊されてしまいます。
強い波があたりにくい場所では、サンゴは、はがされにくくなります。
このような、かく乱の殆ど起こらない場所では、種間競争に強いサンゴだけが、サンゴ礁を占有する事になり、意外にもサンゴの種類は少なくなり、多様性は失われます。
サンゴの種類が最も多くなるのは、かく乱の強さが、中規模の場所です。
中規模のかく乱は、生物の多様な種の共存をもたらします。
大規模のかく乱では、以前の生物多様性は、完全に失われてしまいます。
しかし、中規模のかく乱では、生物多様性が増す場合があります。
私達の仕事・人生も、同様です。
1つの会社にずっと勤めるのではなく、転職・副業・起業等をして、仕事の中に中規模なかく乱を起こしましょう。
問題なく出来る慣れた仕事だけではなく、出来ないかもしれない新しい仕事に挑戦する事も良いでしょう。
生まれ育った実家や生まれ育った街から、飛び出しましょう。
居心地の良さは、時間の経過とともに、あなたやあなたの家族の生物多様性を狭める事になります。
折をみて引越しをしたり、意識的に旅行の数を増やしいつもと異なる街で過ごす時間を作る事も良いでしょう。
その時は不安かもしれませんが、仕事や人生を長期的な視点で見た時、中規模のかく乱が、あなたの仕事や人生を良い方向に導いてくれる事を約束します。