高校生の頃、30分と聞いていた試合を審判の教員の都合により、突如20分で切り上げられたことがありました。
私は「それはおかしいと思います。」と異を唱えたら「文句があるなら、試合に出るな。」等と謎の論理により怒られました。
また、試合中、私のパスが審判をしていた教員にあたり、怒られたこともありました。
私からすると、試合中、選手がパスを出す場所にポジショニングをしている審判が悪いと感じましたが、言っても無駄だと感じたことを記憶しています。
実際、現代フットボールにおいては、試合中ボールにあたることは審判のポジションニングの悪さと認識されており、審判に当たった瞬間、試合は一時中断し、審判にあたった場所から、再び試合再開するようになっています。
チャンピオンズリーグベスト8、パリVSバイエルンの試合中、主審のオルサートより「ディ・マリア」という声が度々聞こえました。
主審が選手にファールを取った根拠を示していたのです。
カルチョファンにとっては御馴染みのゾーンに入ったら誰も止めることが出来ないオルサートですが、試合中に選手とコミュニケーションを取りながら、選手とともに、試合を形作る姿勢には、拍手を送りたくなります。
また、昨日のベスト4、パリVSシティにおいても、主審のブリッヒが「レアンドロ」とパレデスに声を掛け、ハーフタイムに向かう中ネイマールと笑顔を交え、判定に関する説明をしながらロッカールームに戻っていきました。また、試合終了後、選手と握手を交わしながら「グッドラック」と声を掛ける姿は、かっこよかったです。
このように、ヨーロッパのフットボールにおいては、審判と選手は縦の関係ではなく、横の関係で、信頼関係を構築しています。
選手は審判に判定の根拠を聞き、審判は選手に判定の根拠を説明する。
日本においては、選手が審判に判定の根拠を聞くだけで、生意気・反抗的と取られてしまいます。
どのような人間関係においても、役職や資格等による縦の関係は、好ましくないように感じます。
振り返れば、私が好きになってきた人達は、相手の役職や資格等ではなく、その意見に注目している人でした。
相手が年下だろうと、役職や資格がなくても、その意見に価値があれば、真摯に向き合う。
相手が年上だろうと、役職や資格があっても、その意見が無価値であれば、真摯に向き合わない。
これからの時代は、縦の関係ではなく、横の関係が主流になっていく。
チャンピオンズリーグの審判の言動をみて、そのようなことを意識しました。