習慣は第二の天性なり7

 

 「相手がノってんなって時、天も相手に味方しているみたいな気になる。けど、とくにそんな事はない。俺達に流れは無い。あるのは良い・或いは悪いプレーの連鎖。繋ぐのも、断ち切るのも自分ら次第。コートの中に手に負えないものなんか無い。」

 『ハイキュー』烏野と戦う鴎台メンバーの脳内言葉です。

 

 心に問題を抱えている方と会話をしていると、1つの事実に気付きます。

 それは、問題を自分自身がこじらせているという事です。

 

 たとえば、会社で嫌いな人に嫌味を言われて嫌な気持ちになったとします。

 ここで、自分自身で色々と考え込んでしまう人は多いのではないでしょうか。

 人は会っていない時でも、その相手の事を考えると、その相手に対する気持ちや感情が強化されるという脳の特徴を持っています。

 この現象を心理学では、結晶化と呼びます。

 

 相手は目の前にいないのに、家に帰ってからも「あんな嫌味な言い方しなくてもいいのに。」と考えるのは、今を生きず、過去を生きているという事です。

 そして、自分でも知らないうちに、繰り返し過去に味わった嫌な感情を思い出す事で、脳ではその記憶が強化され、心はダメージを受け続けてしまいます。

 

 これに加え「なんであんな事を言うんだろう?きっと私の事が嫌いに違いない。」等という答えを勝手に導き出してしまうと自己説得力効果が働き、相手に嫌味を言われたという事実以上に、脳と心に強く残ってしまいます。

 相手よりも、自分自身の心の方が、余程影響力が大きいのです。

 

 このような時、どのようにしたら良いのでしょうか?

 マインドフルネスに代表されるように、過去や未来ではなく、現在に生きる事に注力出来れば良いのですが、会社でいきなり瞑想を始める事は現実的ではありません。

 

 私は、感情は変えられないものであると割り切る事が大切ではないかと考えています。

 では、変えられるものは何でしょうか?

 それは、行動です。

 嫌な感情を持つ事は、仕方ありません。

 でも、そこで立ち止まり、頭だけで考えているから、こじらせてしまうのです。

 頭だけで考えずに、行動しましょう。

 嫌味を言うような相手が何も言えないような実績を残す為に行動しても良し、運動をしても良し、現在の自分の感情に合う本やアニメ、映画等を見つけるも良し。

 

 感情は変えられない。変えられるのは行動である。

 これを忘れずに行動し、その行動を習慣化しましょう。

 そして、嫌な気持ちに引きずられず、上機嫌で仕事をしていく事が習慣になったら、嫌味を言う人の事等、気にならなくなります。