自らと異なる価値観に触れる

 私がお勧めする書籍『嫌われる勇気』は、異なる価値観を持つ青年と哲人の対話形式となっており、想像とは異なり、読みやすいです。

 徳川家康が死ぬ直前まで、徳川安泰の為に策を考え続けることが出来たのも、現代でも通ずる遺訓を残すことが出来たのも、常に敵がいたからです。

 敵とは、異なる価値観を持つ者です。家康がこの世を去ったのは、豊臣を倒した翌年です。つまり、死ぬ直前まで、異なる価値観と対立することで、自らも考え続け、最期まで家康らしく生き抜くことが出来ました。

 これと比較し、鎌倉幕府を成立した源頼朝は、異なる考えを持つ義経を討つ時期が早過ぎました。

 また、室町幕府を成立した足利は、敵となる存在がなかった為、身内同士での揉め事が絶えず、終には自滅するような形となります。

 自らが生き抜く為には、敵つまり異なる価値観を持つ者をあえて生かし、自らの組織存続に活かすことが大切であることを学ぶことが出来ます。

 組織においては、副社長や専務には社長と異なる考えを持つ者を置くことが、組織存続の為に必要な要素となります。

 自らと異なる価値観に触れることが、自らや組織存続の為に、必要なピースであることを予習しておくと、組織を見る眼を養うことが出来ます。