自らの心に水を注ぐ

 

 「もういい加減に、自分を許してやれよ、フランキー。もうてめェの夢に生きていいだろ?」

 

 人の行動には、何らかの動機付けが必要とされます。

 動機付けには、2種類あります。

 外発的動機付けと内発的動機付けです。

 

 「評価されたいから仕事を頑張る」「尊敬されたいから頑張る」「親に褒められたいから勉強する」等が外発的動機付けです。

 外発的動機付けは、行為そのものではなく、行為によって他者から評価を得る事を目的としています。

 外発的動機付けは、他人の評価という極めて不確定な要素に振り回され、その為他人の反応に一喜一憂してしまいます。

 

 「仕事が好きだから頑張る」「努力している自分が大好きだから努力する」「学ぶのが楽しいから勉強する」等が内発的動機付けです

 内発的動機付けは、行為そのものが目的であり、自分の好奇心や自己肯定感を満たす事を目的としています。

 内発的動機付けは、自分の評価に基づく為、他人の反応に一喜一憂する事はありません。

 

 

 立体パズルを3日間に渡り、大学生にやってもらうという実験があります。

 Aグループには、2日目だけ解いたパズルの数に応じて、金銭的報酬を与えました。

 Bグループには、3日間に渡り、金銭的報酬は与えませんでした。

 実験者は、2つのグループが実験の休憩時間に、どれだけパズルをやるかを観察していました。

 すると、Aグループは金銭的報酬が貰える2日目の休憩時間にはパズルをたくさんやりましたが、3日目にはほとんどパズルをやりませんでした。

 これに対し、Bグループでは、3日目の休憩時間に最も長くパズルをやったという結果が出ました。

 

 

 他人に認められたいというのは、他者承認(外発的動機付け)です。

 自分で自分を認める事が出来るのは、自己承認(内発的動機付け)です。

 幼い頃は、誰もが親や教師等に認められたいという他者承認を求めます。

 しかし、大人になってからも、他者に認められた時にしか自分に価値が感じられないでいると、様々な場面で心に不具合が生じます。

 他者から承認を得られない場合には、劣等感や無力感を感じてしまいます。

 自己肯定感が低いと、常に欠乏感を感じます。 

 これに対し、自分を自分で認められる人は、他者承認を然程必要としません。

 

 車は、ガソリンを補充しないと動かなくなってしまいます。

 私達の心も、心のグラスに自ら水を注がないと、適正に動かなくなってしまいます。

 

 他者承認に頼る程、自己承認の力は弱まります。

 あなたの心に水を注ぐ事が出来るのは、あなたしかいません。