自分の価値は自分で決めることさ。つらくて貧乏でも、自分で自分を殺すことだけはしちゃいけねえよ

 

 「その夜も人々は、せりかさんを傷つけるための重い言葉を、その鋭利さに気付きもせず、軽いタッチで打ち込んだ。」

 『宇宙兄弟』南波六太の言葉です。

 

 悪口は、不幸になる呪文です。

 幸せでない人は、悪口・批判・ネガティブな言葉が多いです。

 その人が発したその言葉は、主語だけが抜け落ち、悪口のみ脳内に記憶されます。

 つまり、悪口を言っている人は他人の悪口を言っているつもりでも、脳内には悪口だけが記憶される為、その悪口は自分自身に言っている事と同義なのです。

 

 悪口はストレス発散になると考えている人が多いですが、悪口を言う程、ストレスは増えていきます。

 悪口を言うとストレスが増え、免疫力を低下させ、5歳も寿命を縮めてしまいます。

 また、悪口や批判が多い人は、そうでない人と比較し、認知症になる確率が3倍も高いというデータが出ています。

 悪口を言うと、ストレスを受けた時に分泌されるコルチゾールの分泌が過多になり、身体の免疫力を低下させ、様々な病気の原因を作ってしまいます。

 

 悪口を言う事は、悪い所探しのトレーニングをしているようなものであり、その能力は自分に対しても発動します。

 無意識に自分のネガティブな所を探し、不安になり、落ち込み、自分を責めてしまうようになります。

 そんな自分の存在価値を下げない為に、相手の価値を下げる事で自分の価値を下げないようにするという、最も手軽で卑劣な方法を取ってしまうのです。

 そのような人の周りに、人が集まるはずもなく、そのような人は、長期的な関係を構築する事が困難である為、これまで関わってきた人の悪口や批判をする事で、自分が悲劇の中に存在しているという立ち位置を確保する事でしか、生きていく事が出来ません。

 

 

 「泣くなよ、せりか。悔しいとか、恥ずかしいとかで、泣いちゃダメだ。泣くほどのことなんて、実はそんなにないんだよ。泣いてもいいのは、悲しくて仕方ない時と、嬉しくて仕方ない時だ。」

 『宇宙兄弟』伊東せりかの父の言葉です。

 

 悪口や批判、ネガティブな言葉を発しないようにすると言っても、それは現実的ではなく、そのような偽りの自分を演じ続ける事は、心理学的にもマイナスです。

 時には、悪口や批判、ネガティブな言葉を言ってもいいのです。

 ただ、ポジティブな言葉とネガティブな言葉の割合(PN比)を、3対1以上にしていきましょう。

 つまり、ネガティブワード1に対し、ポジティブワード3以上を使っていくのです。

 

 ノースカロライナ大学の研究では、PN比が3対1以上の職場では、職場の雰囲気が良いだけではなく、高い利益を上げていたという結果が出ています。

 最も業績の高かったチームでは、ポジティブな言葉がネガティブな言葉の6倍以上使われていました。

 

 夫婦関係においても、PN比が3対1以上の夫婦は良い夫婦関係を保ち、離婚率が低いという結果が出ています。

 PN比が5対1以上の夫婦は、10年後に離婚をしている確率が、ほぼ0に近いというから驚きです。

 

 

 時には、ネガティブな言葉を発してもいいのです。

 しかし、ネガティブな言葉を発したら、その3倍以上はポジティブな言葉を発するようにしていきましょう。

 これにより、あなたの人生が好転する事を約束します。