薬を多く出す医師がいい医師ではない

 薬を患者の言われた通りに何種類も出す医師のことを「いい医師だ。」と言う人が多いです。
 果たして本当にそうなのでしょうか。
 薬には副作用もありますし、他の薬との飲み合わせもあります。
 10数種類もの薬を数年間服薬し続ければ、身体は必ず悲鳴をあげます。
 また、その薬の費用の大半は、私達の給与から支払われており、その行為は国民の負担を圧迫することにもなります。
 私は、薬を極力抑えるようなアプローチをする医師こそ、「いい医師」であると感じています。
 これと似たようなことがどの職業にも当てはまります。
 利用者や家族の言うがままにサービスを組み込むのがいいケアマネジャーであると言われがちですが、私は反対です。
 サービスを組み込むリスクとして、本当は自分で出来るにも関わらずサービスが入ることにより、その出来ることが取り上げられてしまうことが挙げられます。
 また、たとえばリハビリをサービスに組み込むにしても、きちんと目的と期間を決め、利用者・家族・リハビリ職員等と同じ方向性を持ち取り組まなければただやっているだけに終始してしまいます。
 サービスを組み込むことを否定はしませんが、その人の能力や目的・期間等をきちんと評価し、本当に必要であると判断した場合にサービスを組み込むべきです。
 また、介護保険サービスも多くが公費で負担されている為、将来の自分が住んでいる地域や日本のことまで考えるとそれが正しい選択といえるのではないでしょうか。
 保険営業もやたら商品を勧める人は、いい保険営業ではありません。
 本当にその人に必要な保険商品だけを勧めるべきです。
 不動産・金融等、この考え方は全ての市場に該当するのではないでしょうか。
 患者や利用者・お客様の意見を鵜呑みにしない人は、信頼できます。
 患者や利用者・お客様の意見に全て従うイエスマンは、相手のことを考えているのではなく、そのイエスがもたらす自社の利益、さらに正確に言えば自身の成績にしか興味のない人です。