「西谷、お前ならできるとは言えない。西谷でも、ちゃんととれるかわかんねぇ強烈なサーブが宮侑のサーブで、現実だ。」
『ハイキュー』東峰の言葉です。
「努力は必ず報われる」「諦めなければ夢は叶う」「明るい気持ちでいれば幸せな事しか起きない」
これらの言葉は、正しいと思います。
しかし、正しさは時に人を傷つける上に、正しさ上に実現が困難となる事が多いのではないでしょうか?
たとえば、どんなに努力を重ねても夢が叶わなかった時「諦めなければ夢は叶う」という言葉は、辛く感じませんか?
辛い事・悲しい事・悔しい事が起こった直後に「明るい気持ちでいれば幸せな事しか起きない」と言われても、その言葉は辛い事があった直後の言葉としては、キツイものがあります。
失恋した時には、失恋ソングの方が、気持ちにリンクします。
そこで、敢えて明るい曲を聞く必要はありません。
辛い時には、同じように辛い言葉の方が心に染みて、救いとなります。
…ぼくは、人生に必要な能力を何一つ備えておらず、ただ人間的な弱みしか持っていない…
カフカがノートに書き記していた言葉です。
ネガティブな言葉ばかり使う人と、長い時間を共に過ごす事は、お勧めしません。
人というのは環境、つまり、誰と過ごすかにより大きく左右される生物ですので、ネガティブな言葉ばかり使う人と、長時間共に過ごしていると、あなたの世界観も言葉もネガティブになってしまいます。
遺伝とともに、この環境が、精神疾患を持つ親に育てられた子どもも、精神疾患を起こしやすくなる要因の1つです。
しかし、あなたが絶望的な気持ちとなった時、本や漫画・アニメ等を通じて、絶望的な言葉を迎えに行く事は、お勧めします。
話し言葉ではなく、書き言葉となったネガティブな言葉は、翻って絶望から、あなたを助けてくれます。
辛い時には、明るい言葉よりも、ネガティブな言葉の方が、あなたに寄り添い、一緒に歩いてくれます。
本や漫画・アニメに救われたと感じている人は、この経験をしているのだと思います。
本は、買ってすぐに読まなくてもいいのです。
その時には、理解出来ずとも、いずれ理解出来る時がきます。
しかし、必要な時に本棚にないと、その本を選択する事も出来ません。
あなたに寄り添い、一緒に歩いてくれる言葉と出逢う為にも、本棚に本を置く事をお勧めします。