要するに、限られた人生のすべてを推しという名の他人に捧げているのである。この愛の深さと困難さを理解していただけるだろうか‥

 

 …立ち上がったパン姐さんをはじめ、幹部はみな清居の顔がプリントされたTシャツを着ている。会場ではすごくおしゃれな服を着ていたのに、今は火力最大限のオタ集団だ…

 …そもそもトップオタと呼ばれる集団は推しのイメージを損なわないよう、いつ誰から見られてもいいように公的にはむっちゃおしゃれをがんばるーらしい。どれだけ急いでいても髪を巻いたり伸ばしたり、メイクはばっちり決め、ファッションにも手を抜かない…

 

 …それはけっして自分をよく見せるためではなく「〇〇くんのファンって素敵な子が多いよね」という推しに恥をかかせないための努力である。見た目だけでなく、立ち振る舞いにも気をつける…

 …一般通行人に迷惑をかけないよう、待機列は乱さず静かに並ぶ。お年寄りがきたら席を譲る。荷物を持ってあげる。鞄には常に推しのグッズをつけておき「〇〇くんのファンは優しい子が多いんだねえ」と最終的に推しの高評価につなげる…

 

 …要するに、限られた人生のすべてを推しという名の他人に捧げているのである。この愛の深さと困難さを理解していただけるだろうか…

 『美しい彼』平良の脳内言葉です。

BEST 小説 1位 第13回BLアワード2022|BL情報サイト ちるちる

 

 

 

 昨日、サンリオピューロランドに行ってきました。

 ピューロランドに入場する直前にも、サプライズがありました。

 ピューロランドの横にBenesseの東京本部のビルがある為、何と「キティ」と「しまじろう」がコラボしていたのです。

 

 これは、子どもにとっては、最高のコラボです。

 私自身最も興奮したコラボは、2019年渋谷で行われた『ジャンプ』と『マガジン』のコラボでした。

 同じ体育館で『ハイキュー』日向と影山が変人速攻をしている横で『あひるの空』空がスリーポイントの練習をし『呪術廻戦』五条悟が準備運動をしており『進撃の巨人』調査兵団が心臓を捧げているシーンは、大興奮でした。

 その興奮と同様かどうかはわかりませんが、多くの子ども達が「キティ」と「しまじろう」のコラボに興奮していました。

 

写真:しまじろうとキティちゃんの像/シマジロウトキティ ...

 

 

 

 「ダニエルとチェキを撮りたい。地下男子アイドルと3分間時間を自由に使えるので1万円なんだけど、ダニエルになら払いたい。」

 「あのシーンで、ダニエルが膝をついたのを初めて観た。いいものが観れた。」

 「KAWAII KABUKI ハローキティ座の桃太郎」を観た時の、私の後ろの席に座ってた女性の言葉です。

 

 私は、アニメキャラがアイドルの沼にハマり、上記の『美しい彼』のような人生の全てを推しに捧げている人がいる事は、何度も目撃していますし、理解をしていました。

 しかし、サンリオのようなキャラクターに沼がある事は、知りませんでした。

 ピューロランドでは、サンリオのキャラクターの沼にハマっている人を、何度も目撃する事が出来ました。

 

  1位:シナモロール

  2位:ポムポムプリン

  3位:クロミ

 

 2023年サンリオキャラクター大賞の、順位です。

 サンリオキャラクター大賞は、1986年にスタートした元祖総選挙です。

 450を超えるサンリオキャラクターの中から選ばれた80のキャラクターがエントリーし、WEBやサンリオショップからの投票数によって、順位を決定する総選挙です。

 

 社会現象になったAKB総選挙の2018年総投票数が380万票であったのに対し、2023年のサンリオ総選挙の総投票数は4,450万票であった事から、多くの人が、サンリオのキャラクターの沼にハマっている事が理解出来ます。

 

 

 

 ピューロランドは、ユニバーサルやディズニー程の特別な場所では、ありません。

 ユニバーサルやディズニーのクルーが、10人中9人が最高の笑顔とホスピタリティでゲストを迎えるのに対し、ピューロランドのクルーでは、3人中2人という印象でした。

 場所も普通の地方の駅前に、あります。

 

  ①年齢制限・身長制限がない為子どもでもアトラクションに乗れる

  ②待ち時間が少ない

  ③サンリオのキャラクターの沼にハマる事が出来る

 

 以上の3つが、ユニバーサルやディズニーにはないサンリオの魅力です。

 

 

 ①乳幼児と一緒にユニバーサルやディズニーに行くと、ライド系のアトラクションには、年齢・身長制限で、殆ど乗る事が出来ません。

 勿論、アトラクションに乗る事だけがパークを楽しむという事ではありませんが、それでも折角行ったのならば、子どもと一緒にアトラクションを楽しみたいもの。

 1つアトラクションに乗る事で、そのパークを肌で楽しむ事が出来るようになるような気分にもなります。

 ピューロランドは、ライド系のアトラクションも、年齢・身長制限がない為、乳幼児を連れた家族も、家族皆でアトラクションを体験する事が出来ます。

 

 

 ②ユニバーサルで、キティに逢う為には、土日に複数回行った私の経験では、60分~90分の待ち時間が、必要です。

 しかし、ピューロランドでは15分~20分程度で、キティに逢う事が出来ます。お金の力を利用し、ピューロパスを購入すれば、5分程度でキティに逢う事も可能です。

 勿論、ユニバーサルでは、前後のゲストとの間隔を空けての入場の為、キティからの招待を他のゲストと逢う事なく、自分達だけで堪能する事が出来ます。

 その点、ピューロランドは、次々と入場させる為、他のゲストがキティと記念写真を撮っている姿が、観えてしまいます。

 そのおかげで、キティの沼にハマっているゲストの姿を複数確認する事が出来ました。

 

 

 ③サンリオのショーや「KWAII KABUKI ハローキティ一座の桃太郎」を観ていて、気づいた事が2つあります。

 1つ目は、キティを始めとするサンリオキャラクターが、敵であっても、まずはその気持ちを受け止める、心理学的には「受容」をしていた事です。

 ショーにおいては、闇の女王の「誰も信じられない」等とようなメッセージの下、仲間を攻撃される中、反撃をするのではなく「そうね。そういう気持ちになる時もあるよね。」等と「受容」をしていました。

 その為、その後は、敵も心を入れ替え、仲間になっていくというお決まりのパターンではありましたが、無理矢理感を感じる事がありませんでした。

 

 2つ目は、サンリオのキャラクター同士が、相手を責めたり、反論したりする場面がある事です。

 「KAWAII KABUKI ハローキティ座の桃太郎」においては、ばつ丸がシナモロールを責めるシーンと、シナモロールがこれに対し自分の意見を伝える場面がありました。

 これは、ユニバーサルやディズニーでは、観られない演出です。

 ディズニーにおいて、ミッキーがプーを責めるシーンを観た事がある人はいないでしょう。

 

 私は、このようなシーンがあるのが、沼にハマる要因の1つではないかと分析をしています。

 

 

 顔ファンから、顔は勿論好きだけど、努力家な所が好きで、気付いたら、推していた。

 これが、沼にハマる方程式です。

 顔が好き+何かがある事が、沼にハマる為の、必要条件です。

トップレート】 シナモン ロール ツイッター

 

 サンリオのキャラクターは、それぞれがSNSをやっています。

 そして、そのキャラクターからのメッセージは、そのキャラクターらしいメッセージであり、決して圧がありません。

 さらに、SNSで、サンリオキャラクター同士の交流がある所も、ファンにとっては溜まらないのでしょう。

 

 

 サンリオピューロランド。

 私の知らない世界を、教えてくれました。