20歳の時、吉田松陰の足跡を辿りたく、山口県萩市を旅しました。
そこで、歴史館のような所の学芸員の方と松陰トークが盛り上がりました。
すると、その方が私が持参していた司馬さんの本に自身が最も感銘を受けた松陰の言葉を書き出しました。
驚くとともに、嬉しい気持ちになったことを思い出します。
幕末の長州藩は、太平洋戦争の日本軍のような狂気に満ちていました。
その狂気に、薩摩の軍事・政治力、土佐の脱藩志士の志が重なり、成就したのが明治維新です。
そしてその狂気の火付け役が松陰です。松陰以前は、長州藩に討幕のような思想はほとんど存在しませんでした。
松陰は、思想家であり、教育者であり、書家でもありました。
松陰は、数多くの言葉を後世に残しました。そのなかでも、私が最も美しいと思うのは日本を変えたいと願うものではなく、親を思う言葉です。
「親思ふ心にまさる親心、今日のおとずれ何と聞くらん。」