観察する事にエネルギーを向ければ向ける程、問題は小さくなる

 親の外見が子どもに遺伝する事は、承知の事実です。

 さらに、誰もが口には出しませんが、頭の良さが遺伝する事も、誰もが知る事実になってきました。

 これに加え、子どもの性格も50%程、遺伝により決定している事が証明されています。

 

 親の遺伝を最も受けやすいのは、外見です。

 身長は86%、体重も80%が遺伝により決定されます。

 

 性格においては、情緒安定性は58%、外向性は54%、協調性は42%、柔軟性は37%、衝動性は38%と各性格が遺伝により決定されています。

 私が大学生の頃は、統合失調症やうつ病、自閉症等の心の病気に遺伝は関係ないと言われていましたが、最新の科学では遺伝が最も相関性が高い事が証明されています。

 情緒安定性が性格の中で最も遺伝による部分が大きく、情緒安定性が不安定であると、恋愛にしろ、仕事にしろ、何をしても上手くいきません。

 しかし、情緒安定性は、正しい思考方法を持ち、きちんと向き合っていけば改善する事が出来ます。

 

 多くの場合、私達の心を取り乱しているのは、生じている事柄ではなく、私達の心が勝手に作り出す物語の方です。

 たとえば、何か不安や悲しい事が起こった時に「なぜ私はこうなんだ?」と考えてしまいます。

 この自身への質問により、自身の人生をくまなく振り返ります。

 現在の境遇に置かれる事になった理由を探そうとします。

 これは多くの場合、怒り、恨み、絶望の感情を引き起こします。

 そして、多くの人に両親を責める感情が生まれます。

 しかし、このような思考があなたの役に立つのでしょうか?

 

 私達の心には、思考する自己と観察する自己の2種類が存在します。

 思考する自己は勝手に物語を作り、上記のような質問や囁きで、あなたを引き付けようとします。

 そのような質問や囁きが聞こえてきたら、相手をするわけでもなく、逃げるわけでもなく、その場で捕まえる事が大切です。

 心があなたに無駄な思考や行動をさせようとした事に感謝し、心に対して「今日は君の相手はしないよ。」と拒否をする事です。

 

 何か悲しい事や不安な事があった時、落ち込む事は当たり前です。

 しかし、その落ち込みが長期間になってはいけません。

 心との正しい向き合い方を身につけていれば、長期間心に引っ張られる事はなくなり、人生という貴重な時間を有意義に過ごす事が出来るはずです。