「タスクフォーカス。試合の最終的な結果や審判のジャッジ、対戦相手の行動。それらはコントロールできないもの。自分がコントロールできるのは、自分の思考と行動だけ。重要なのは常に次自分にできる事とすべき事。目の前の一球。影山ならあげるだろうが、でも、嫉妬も憧れも試合中は不要。」
『ハイキュー』赤葦の言葉です。
サッカーに本気で取り組んでいる時、どこかで必ず自分より凄い存在がいました。
生まれつき運動神経に恵まれなかった私が、どんなに努力を重ねても、メッシのように相手を抜き去る事は、出来ませんでした。
赤葦の言葉通り、試合中にすらそのような嫉妬や憧れに捉われそうになった事が何度もあります。
しかし、嫉妬や憧れを抱いた所で、何も変わりません。
自分に出来ることを分析し、その思考を次の行動に移す。サッカーを辞めた現在でも、その思考パターンは、いつも私を助けてくれています。
「試合で100%を出すってカンタンじゃない。でもね赤葦、俺には120%をちょうだい。」
『ハイキュー』木兎の言葉です。
スポーツに本気で取り組んだことのある方なら理解出来ると思いますが、時折、試合中に自分の想像を超えるプレイが出来ることがあります。
試合という適度な緊張感や本気の相手がいるという不確実性等が重なり生じるものでしょうか。
私は、ディ・マリアのキックをキックを見ると、上記の木兎の言葉を思い出すことがあります。
2018ワールドカップのフランス戦でのミドルシュート、19-20チャンピオンズ準決勝ライプツィヒ戦でのマルキーニョスへのFK、20-21チャンピオンズ準決勝シティ戦でのマルキーニョスへのCK、20-21リーグアン最終戦での直接CK等、ディ・マリアのキックのスピード、精度、ボールの伸びや回転からは、120%を感じることが出来ます。
ディ・マリアは、先の赤葦の言葉通り、メッシやネイマール程の才能はありません。
パリにおいても、ネイマールやエムバぺが賞賛されがちで、事実彼らは監督が途中交代を命じることも出来ないような絶対的な存在です。
それでも、淡々と自身に出来ることを、どの試合でもやり続けるディ・マリアが、私は好きです。年間を通じてパリに貢献しているのは、ネイマールでもエムバぺでもなく、ディ・マリアであると数年間パリを見続けた私は確信しています。
私は、仕事においては、120点を出すことよりも、毎回80点を出すことの方が大切であると感じていますし、そのように意識しています。
それでも、1年に2,3回位120%を出したい場面に遭遇します。
常に80%のパフォーマンスが出せ、時には120%を出せるような人物が、目指すべき人です。