試合の日の朝

  「試合の日の朝は、空気の臭いがいつもと違いましたよね?」

 『あひるの空』車谷智久の言葉です。

 私は、今でもボールを蹴っている音を聞いたり、芝生のグランドの臭いを感じたり、チャンピオンズリーグの音楽を聴くと、身体中が温かい幸福感に包まれるような気持になります。

 これは、プレジャーグロスと呼ばれる条件刺激による快楽です。

 楽しく快感を感じた状況で、同じ匂いや音、光景、感触等を何度も繰り返し経験すると、それが心地よい経験として、記憶に刻まれます。

 その感覚は最初は何とも思わず、むしろ不快であったりもしますが、何度も経験を重ねることで、心地良いものとして、自動的に脳で認識出来るようになります。

 私も、良いパフォーマンスが出来た試合の日の朝は、いつもと違う空気であったことを記憶しており、現在でもその記憶は脳に深く刻み込まれています。