「何かやりたい事は、ありますか?」
多くの人が子どもの頃から、されてきた質問です。
私自身カウンセリングの時、相談者の視野を拡げる為「明日朝起きて何でも叶える事が出来るとしたら、何を叶えますか?」等という質問を意図的にする事があります。
「何かやりたい事は、ありますか?」
この質問には「出来ないけれど」という前提が隠されています。
本当にやりたい事であれば、やっているはずです。
その為、私はこの質問に対し「もうやっています。」と答えられるような生き方をしていくという事を、自分と約束しています。
私の印象ですと、大人でやりたい事がある人の割合は、10%以下ではないかと感じています。
皆、朝から疲れ切った顔で満員電車に乗り、やりたくもない仕事をし、付き合いたくもない自分と似たような人と付き合っています。
そのような人にお勧めの方法があります。
普段通らない道を、選んでみてください。
普段行かない場所に、行ってみてください。
普段見ない地図を開き、数カ月先でもいいので、行った事のない場所へ旅行へ行く予定を作ってみてください。
これだけで、無味乾燥としていたあなたの人生に、色がついていきます。
海外を旅していて、感動する事は、見たことのない景色でも、聞いた事のない言語でも、食べた事のない食事でもありません。
それらの外からの刺激は、1時間もすれば慣れてしまいます。
感動は、自らの内側から生じるものです。
その感動の1つに、自分の中の地図が描かれる事が挙げられます。
右も左もわからない海外の街を歩き、電車に乗り、バスに乗り、踏み出した勇気ある一歩が積み重なる事で、数日するとその街の地図が頭の中に描かれます。
街の地図を頭に描く事が出来るのは、実際にお金と時間と勇気を出し、見知らぬ土地に足を踏み入れた人だけが持つ事が出来る特権です。
私は『ロードオブザリング』シリーズが大好きです。
大きな橋や建物、壮大な自然を見ると『ロードオブザリング』を思い出してしまう程、その世界観が好きです。
そして、彼ら彼女らが事ある毎に中つ国の地図を開き、地図を見ながら次にどこに向かうのかを決めているシーンがとても好きです。
ヘルム峡谷、ミナスティリス、ファンゴルンの森等、中2心を擽る名前にも影響され、私自身も街を歩き、知らない場所を開拓していきました。
住む場所を決める時、その場所が旅の始まりにふさわしい場所であるかが大切であると最近考えます。
旅と言っても海外に行くような旅ではなく、その日に出掛けられる程度の旅の事を言います。
例えば、その日に思い立ち好きな博物館や美術館に歩いていく事が出来たり、好きな街にふらっと出掛ける事が出来たり、徒歩10分以内に電車の路線が複数あったり等といった事です。
そして、好きな博物館や美術館、街に行くまでの道が素敵であれば、最高です。
さあ、今日も自分だけの地図を描く為、いつもとは異なる道を歩いてみましょう。