課外授業、呪術戦の頂点。領域展開について教えてあげる

 

 「この練習は、何の為にやっているのですか?」

 高校生の時、部活の教員に上記の質問をしたら、明確な返答はなく、ただ怒られました。

 私は、どうしても、高校時代の練習内容が、上達する為、成長する為、試合で結果を残す為、いずれにも該当しないと感じていました。

 

 教師や上司、親等は、理由を教える事をせずに、ただ「やれ。」等と言いがちです。

 実は、教師も上司も親も、やる理由を深く考えた事等ないのです。

 だから、子どもにその理由を聞かれると、怒り出します。

 

 

 様々な文献を読んだ末に、現在私が導き出している練習をする理由は、脳の各領域がスムーズに連携し、その連携を無意識に出来るようになるプログラムを作る為というものです。

 脳は、パソコンに例えられる事がありますが、脳はパソコン以上に複雑に出来ています。

 脳には、1,000億以上の細胞があるとされています。

 1,000億以上のそれぞれの細胞が、他の何万個もの細胞と繋がっています。

 そうすると、脳細胞の繋がりの数は、少なく見積もっても100兆以上になります。

 

 これまでの科学では、脳細胞の数や脳の大きさにより、頭の良し悪しが決まると信じられてきました。

 しかし、最新の科学では、これは誤りとされています。

 アインシュタインの脳は、1,230gであり、平均的な男性の1,350gよりも軽かったのです。

 また、脳細胞の繋がりの数は、2歳児の方が大人よりも、はるかに多い事もわかっています。

 そして、その数は成長に伴い、減少していきます。

 この刈り込みと呼ばれる過程により、2歳から青年期までに、1日200億近くの繋がりが消えているとされています。

 脳は、使わない回路を切断しながら、新たに信号を伝える場所を空けているのです。

 

 

 では、脳細胞の数や脳の大きさ、脳細胞の繋がりの数で頭の良し悪しが決まらないのなら、何によって決まるのでしょうか?

 それは、私達が様々な動作をしている時に脳が使う、機能ネットワークと呼ばれるプログラムにより、決まります。

 私達の脳には「計算する為のプログラム」「字を書くプログラム」「自転車に乗るプログラム」等、様々なプログラムが保存されています。

 あらゆる動作が、この機能ネットワークによって制御され、全てのネットワークは脳細胞の繋がりの集合体で構築されています。

 

 1つのプログラムだけでも、脳の様々な領域の細胞が関わっており、プログラムがスムーズに実行処理される為、つまり、素早く計算をしたり、字を思い出し書いたり、自転車にスムーズに乗る事は、脳の各領域がしっかりと連携しなければ出来ない事だったのです。

 

 『ドラゴンボール』のスーパーサイヤ人、『ONEPIECE』の覇気、『HUNTER×HUNTER』のオーラ等、様々な漫画・アニメには、登場人物達がパワーアップする瞬間があり、その瞬間は、その漫画やアニメのハイライトでもあります。

 その中でも、現在最もカッコいいのは『呪術廻戦』の領域展開ではないでしょうか。

 領域展開は、呪術師だけのものと考えていましたが、私達の脳内では、何か行動する度に領域展開が起こっていた事に驚きとともに、嬉しさを感じてしまいます。